子育て情報『医療少年院の職員と少年がASDのある人の知覚世界をVR体験――知的障害や発達障害がある少年たちの支援での配慮を考えるワークショップを開催』

2019年12月27日 10:00

医療少年院の職員と少年がASDのある人の知覚世界をVR体験――知的障害や発達障害がある少年たちの支援での配慮を考えるワークショップを開催


「ASD知覚体験ワークショップ」を通して、それぞれの場で実践できることを考える

LITALICOが東京大学の研究者らとともに取り組む「CREST認知ミラーリングプロジェクト」では、研究内容をより多くの人へ周知し、当事者の生きやすい環境づくりに役立てたいと、「ASD知覚体験ワークショップ」を実施しています。

自閉スペクトラム症(ASD)者の非定型な知覚を疑似体験し、当事者への理解を深めるこのワークショップでは、東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構特任教授・長井志江先生による講義やVRを用いてASDのある人の非定型な視覚を疑似体験します。ASDのある人の非定型な知覚を知識として理解するだけでなく体感し、さらに日常の支援を振り返りながら職員同士でディスカッションをし、実際の支援の場でどう生かすかまでを考えます。


宮川医療少年院での開催の背景

三重県にある宮川医療少年院には、現在、中学生から21歳までの男子、約50名が入院しています。少年たちには、中度から軽度の知的障害や、発達障害、情緒面での課題があります。

少年院は、家庭裁判所から保護処分として送致された少年に対し、その健全な育成を図ることを目的として矯正教育や社会復帰支援等を行う施設です。各少年院には、矯正教育の重点的な内容と標準的な教育期間を定めた矯正教育課程が設けられています。その上で、入院してくる少年一人ひとりの特性及び教育上の必要性に応じて、個人別矯正教育計画を作成し、きめ細かい教育を実施しています。


国内には、現在、本院・分院あわせて49庁の少年院がありますが、「医療少年院」と名が付くのは、「京都医療少年院」と「宮川医療少年院」の2庁のみです。また、医療を専門に行う少年院と、障害に配慮した矯正教育を行う少年院の両者の機能を有する少年院としては、「東日本少年矯正医療・教育センター」があります。

宮川医療少年院は、現在、医療を専門に行う少年院ではありませんが、障害に配慮した矯正教育を担っています。宮川医療少年院では、日中、教科学習から職業指導、施設を出た後の就労などにも役立てるような資格取得に向けた取り組みを行っており、特別支援学校のような教育が行われています。授業外でも、共同生活のなかでさまざまな生活指導がされています。今回のワークショップでは、1日目にはまず日々の教育指導・寮生活の中でのさまざまな生活指導に取り組む職員の皆さんが、ワークショップを通してより少年たちの特性理解をすすめ、支援をより深化させる機会として実施することとなりました。

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