子育て情報『私立中で初めて手にした、いじめとは無縁の6年間。学歴カーストがASDの私を守ってくれた…?発達障害がある子の学校選びに思うこと』

2020年10月16日 12:00

私立中で初めて手にした、いじめとは無縁の6年間。学歴カーストがASDの私を守ってくれた…?発達障害がある子の学校選びに思うこと

と気づきました。

ああ、幸せだなあ、と思いました。片道2時間近くの通学は体力的につらかったけれど、確かに私立に来てよかったと思ったのです。


のちに、自分が恵まれていたことを知る

ボーッとしたまま中高の良い環境を享受しただいぶ後になって、私は自分がとても恵まれていたことに気づきます。

20代後半で学習塾講師のアルバイトをしたとき、公立の中高では自分が中学高校の頃にしてきてもらったような指導をしてくれていないことを知りました。

国語の分野でいえば、私は中高で、評論文用語集の暗記、百人一首や文学史年表の暗記などを授業に組み込んでやらされていました。それが当時はすごく嫌でしたが、私が出会った公立の学校に通う子は、そういう副教材や試験対策が世の中に存在すること自体も知らなかったのです。

私は、進学校の成績優秀な生徒として、「東大京大・早慶上智のどこに入るか」みたいな価値観を当たり前としていました。
そして、過労で倒れたりしながら必死に受験勉強に打ち込んで、難関私大に進学…… そうした生き方が、私の少女時代の過ごし方の唯一最善の答えだったとは、今は思いません。詳細は過去記事に書いています。

ただ、中高の時期に一度は「楽に呼吸できる」環境に属させてもらえたことで、私は文字通り生き延びられたとは思っています。教養的な面でも大きなアドバンテージをもらいました。

あのままうっかり公立中学に行き、自分に合わない環境を強いられていたとしたら、私は兄の言うとおりに死んでいたかもしれません。兄とはその後関係性がとても悪くなってしまいましたが、私を私立に進学させるよう両親に進言してくれた点について、私は兄に深く感謝をしています。

当時、妹の将来のために思いつめて泣いたほどの彼が、長男として、また(当時発覚していなかったものの)発達障害児のきょうだい児として背負っていたものの大きさ、そのことにまったく思いが至らず他人事のように思っていた自分のことを思うと、今更ながら申し訳なくて胸が苦しくなります。


本人の「楽」と「利」だけを考えて

これを読んでくださっている方は、お子さんに診断が出ているとか、ご自身が子どもの立場かといったあたりだと思います。
中学への進学を考える時点で発達障害がわかっているというのは、私の世代から見れば大きなアドバンテージです。

世の中にはいろいろな意見があります。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.