2021年1月28日 16:00
メラトベルとはどんな薬?自閉スペクトラム症のある子どもなどに処方される睡眠障害の改善薬メラトベルの効果や副作用などを詳しく解説!
思わぬ事故につながる可能性があります。また、一度眠った後に起床して何かをする予定があるときは、服用をやめることが必要です。
副作用として気になる症状が出た場合には、早めに医師に相談し、服薬量の調整や、場合によっては服薬の中断や薬の変更なども含めて、指示を仰ぎましょう。
また、睡眠障害改善のためには、薬だけに頼らず、併せて生活習慣を見直していくことも大切です。小児の睡眠障害の治療では、睡眠習慣に関する指導が重視されています。
前述のように、メラトニンは昼間の分泌は少なく、夜間に多く分泌されることで、眠りへと導いてくれるものです。昼間に太陽の光をたくさん浴びて活動しておくなど、基本的なことが安定した睡眠のためにとても重要です。
心がけたい項目は以下のものです。
・朝の日の光を浴びる
・朝ごはんを食べる
・昼間、体を動かす
・夜は早く寝る、寝る際には部屋を暗くする(常夜灯も消す)
メラトベルの臨床試験でも、服薬と合わせて睡眠習慣に関する指導が行われています。
このように生活習慣を整えながら、そのうえで睡眠が改善されなければ治療方法を医師と検討していきましょう。
他の睡眠導入剤との違い
メラトベルは、前述した通りメラトニンを成分とした薬です。2010年から発売されていたロゼレムは、メラトニン受容体に作用する薬です。メラトベルは体の中でつくられる「メラトニン」そのものが有効成分なので、より自然に作用し、睡眠を促してくれるといえます。安全上、受容体作動薬は小児にはまず適応されません。
また、ロゼレムは本来大人用の薬ですが、メラトベルは6〜15歳の子ども用の薬という特徴もあります。さらに、メラトベルは自閉スペクトラム症やADHDなどの神経発達症のある子どもにのみ認められている薬です。
それ以外の子どもの睡眠導入剤としては処方されていません。神経発達症に関わらない子どもの不眠症に対してはわずかに入眠を改善するという報告のみで、処方対象になっていないのです。
まとめ
今回は2020年6月に発売された、6歳から15歳までの神経発達症のある子どもに対して処方される入眠改善薬『メラトベル』をご紹介しました。これまで、自閉スペクトラム症などの神経発達症のある子どもの睡眠障害については数多く報告されていたものの、その症状を改善する薬はこれまで日本では販売されていなかったのです。