2021年5月25日 14:15
イヤイヤ期の「困った」どう乗り越える?発達障害がある場合の対応方法は?
たとえば、食べ物をポイポイ投げるのは、してほしくない行動のひとつという保護者も多いのではないでしょうか。こうした行動を目の前にすると、つい「ダメ! やめなさい!」と叱りたくなりますが、これはかえって逆効果のこともあります。ママやパパが構ってくれたと、嬉しくなって何度も同じことを繰り返すことも少なくないからです。
してほしくない行動には過剰に反応をせず、正しい行動ができたときにほめてみましょう。大好物だけを集めたメニューを用意して、投げずに完食したら「今日は投げなかったね、えらいね!」「ピカピカに食べられて、すごい!」と笑顔でほめます。投げるよりも、投げないほうが注目してもらえる、とわかると、次も投げないようにしよう、と思うものです。適切な行動ができたらほめることを続けていくと、いつのまにかしてほしくない行動は減っていきます。
発達障害がある子の「イヤイヤ」にはどう向き合う?
「イヤイヤが激しすぎるのは、もしかしたら発達障害があるからでは?」「うちの子は2歳を過ぎてもまったく手がかからないけれど、イヤイヤ期がなくても問題ない?」
子どもの発達には個人差が大きく、乳幼児期の診断は難しいと言われます。
明確な診断は受けていないものの気になっている、というご家庭もあるでしょう。
ここでは、発達障害のある子のイヤイヤ期について見ていきましょう。
発達障害は、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠如・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」の3つのタイプに分けられます。いずれも脳の働き方に偏りがあるために起きると考えられていて、周りからは理解されにくい障害ともいわれています。
発達障害がある子の中には、感覚が過敏である特性がある子も多く、光や色、音、においなどの刺激を受け取りすぎてしまう傾向があります。あざやかな色が並ぶ場所に恐怖を覚えたり、さまざまな音が頭に響くように感じられて耳をふさぎたくなったり、あるいは逆に聴覚への反応性が低く、呼びかけに応じにくい、というケースも。感覚過敏による症状は多岐にわたります。
こうした感覚の偏りがあると、些細なことでも不快感が高まりやすくなります。
ただ、感覚は人それぞれでその不快さなどが他者からはわかりづらい上に、子ども自身も不快さを自覚できていなかったり、言葉にして説明することが難しかったりする場合があります。発達障害のある子の中には、言葉の発達がゆっくりめである子も多く、その場合、なぜ不安なのか、なにがいやなのかをうまく伝えることができません。