子育て情報『俳優・東ちづるさん取材--芸能界で感じる後ろめたさとは。障害がないからチャンスがあった?「自閉症啓発デー」やまぜこぜの社会を目指す「Get ㏌ touch」10年の活動の思い』

2022年3月20日 14:15

俳優・東ちづるさん取材--芸能界で感じる後ろめたさとは。障害がないからチャンスがあった?「自閉症啓発デー」やまぜこぜの社会を目指す「Get ㏌ touch」10年の活動の思い

東:それまでも、自閉症協会さんや厚生労働省の働き掛けで、全国各地で青くライトアップされたり、青を使ってアピールしたりといった動きはあったけれど、「世界自閉症啓発デー」だからということは、一般の人にはほぼ知られていないという状況でした。なぜならメディアになかなか取り上げられないから。メディアに取り上げられるにはどうすればいいの?と考えて、エンタメでやっていこう!となったわけです。

第1回は、東京タワーでウォームブルー・デー(Warm Blue Day)と名づけて、全国各地の自閉スペクトラム症があるお子さんのご家族や当事者、そうではない人たちが「まぜこぜ」に集まるというイベントを開催しました。ショップのウィンドウをブルーにデコレイトしてもらったり、ブルーにペイントされたスーパーカーのパレードがあったり、コスプレイヤーがブルーの服を着て歩いたり。にぎやかな祭典となりましたが、その裏では、警察や厚生労働省、自閉症協会をはじめ、さまざまなところに、私たちは一から企画の説明をして、文字通り泥臭い地道な調整をして実現したイベントでもありました。

…でもね、この初回は、叩かれたりもしたんです。

――そうだったんですか?それは、なぜでしょうか。


東:エンターテインメントでしたから。こうした啓発活動をするときには、真面目にやらなくてはならない、というムードが日本にはありますよね。楽しいことは後ろめたい、というような。だから、「お祭り騒ぎをして何が啓発だ!」というお叱りをたくさん受けました。当事者ご家族、支援団体さん、厚生労働省からも、それはもうかなり賛同を得られませんでした。

ところが、です。実際に蓋を開けてみたら、ものすごくたくさんの人が集まりました。そして、自閉症協会さんはじめ、自閉スペクトラム症や発達障害に関するサイトが問い合わせでパンクしたのです。
そこでようやく、「ああ、これも啓発なんだ」と理解していただけました。今振り返ると、本当によく闘ったなと思います。

――そうだったんですね。今やGet ㏌ touchは、自閉スペクトラム症や発達障害の啓発活動ではすっかり頼りにされている存在ですよね。
東:ウォームブルー・デー(Warm Blue Day)に関しては、現在は東京都自閉症協会さんが都内の関連団体に呼びかけて集まった「東京タワー実行委員会(TT実行委員会)」に引き継いでいます。

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