2022年3月20日 14:15
俳優・東ちづるさん取材--芸能界で感じる後ろめたさとは。障害がないからチャンスがあった?「自閉症啓発デー」やまぜこぜの社会を目指す「Get ㏌ touch」10年の活動の思い
もはや私たちが始めたということも忘れられているくらいの盛り上がりになりました。これはGet ㏌ touchの成果の一つだと思っています。社会的に知ってもらうということが最初の目標でしたから。でも、4月2日には日本全国でさまざまな人たちが自発的に青い服を着たり、SNSで発信するのがあたりまえのように日常に溶け込んだ社会になったらいいなと思っています。たとえば、ハロウィンのようにね。
障害がない人だけにマーケットが用意されているということへのモヤモヤ
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――まぜこぜの社会を顕在化することを達成して、10年で解散することが目標ということでしたが、解散していないのはまだまだ課題があるということですね?
東:新たなことがどんどん出てきますからね。でも、確実に社会はアップデートされています。
その半面、分断はまた広がっているというか、生きづらさを抱える人が増えているのが現実です。
私は、芸能界がグレードアップするといいなと思っています。「まぜこぜ一座」を立ち上げたときに、マイノリティの表現者たちのすごいスキルを目の当たりにしました。彼らの才能と努力は素晴らしい、けれども発揮する場が限られている。その才能を広く披露するチャンスがあらかじめ絶たれているという現実があります。
最近気づいたことなんですが、私には、マイノリティの表現者たちに対する「後ろめたさ」もあるのだと思います。私は劇団出身でもないし、偉大な師匠について修行したわけでもない。そういうベースがなくても、芸能界で仕事をさせてもらってきたんですよね。
もちろん、努力はしてきましたけどね。
一方でマイノリティの表現者には、プロダクションもなく、活躍できるチャンスがまずない。私にはそれがあったんです、障害がないから。フラットにみんなにチャンスがある方が、私自身も気持ちよく仕事ができると思っています。ドラマや映画で当たり前のように共演したいんですよ。「まぜこぜ一座」のように、私が脚本を書いて演出するステージではなくて、オファーをいただいてドラマに出てみたら、私の上司がマメ山田さんで、部下が後藤ひとみさんで、同僚にかんばらけんたさんがいる、なんていう設定。すごく面白いと思う。
海外では実際にそういう風にキャスティングされた映画やドラマがあって、いろいろな人たちが出演しています。
海外のドラマを見ていると、普通にLGBTQの設定の役柄がある。