2022年7月20日 14:15
勉強のつまずきは、感覚過敏や鈍麻が原因?発達障害との関係、学習困難の理由や支援方法も解説【専門家監修】
学習障害がなくても、学習に困難を感じている子どもは多くいる?
ノートが上手く取れない、計算や漢字の書き取りが不得手、授業に集中できない…など、子どもの学習に関連する困りごとは、「限局性学習症(学習障害・LD)」が原因なのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、限局性学習症がなくても、そのほかの発達障害の特性から学習に困難を感じている子どもも多くいると考えられています。特定の領域の学習ができない限局性学習症とは異なり、環境に左右される原因によって学習困難が起こることがあります。
学校でのスケジュールが突然変更になったり、いつもどおりのルーティンができなかったりすると、不安が強まったり、パニックになったりする場合があるかもしれません。また、細かい情報や特定のことがらに強くこだわって全体の理解が進まないことや、興味関心と学習内容が噛み合わずに授業や学習に集中できないことがあるかもしれません。
教室の中で椅子にじっと座っていることができない、あるいは座っていたとしても手足を動かしたくて学習に集中できないことがあり、無理やりじっとしていようとすることで、極端に疲れてしまうこともあります。
また、注意が逸れやすく、授業に集中できない・不注意が理由で忘れ物が多い、実行機能の弱さが理由で宿題が終わらない・できないなどの困りがあります。
体を協調的に使うことが難しいために、文字を書くことが苦手だったり、丁寧に書いているつもりでも読みやすい字が書けなかったりします。
「学習困難」の原因かもしれない感覚過敏・感覚鈍麻とは、どんなこと?
発達障害がある人には、感覚過敏や感覚鈍麻がみられることがあり、これらが原因で学習障害が起こることもあります。
私たちは、いわゆる五感、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚によって情報を得ています。学習するときは、特に視覚や聴覚をフル稼働しますが、こうした感覚の働きが過敏すぎたり、あるいは極端に鈍かったりすると、学習に集中できなくなると考えられています。
今やるべきことには関係のない、聞かなくてもいい音が気になったり、見なくてもいいものが目に入ったり、匂いや肌に触れるものが気になって集中できない、という経験は、ある程度誰にでもあるものです。感覚が敏感な人の場合には、多くの人は気にならないような、音や光、掲示物などの刺激を感じると、学習に集中しづらくなります。