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シャフリングベビーとは?ハイハイしなくても大丈夫?原因や疾患、自閉症など発達障害との関係についても解説【小児科医監修】

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シャフリングベビーとは?

シャフリングベビーとは?ハイハイしなくても大丈夫?原因や疾患、自閉症など発達障害との関係についても解説【小児科医監修】

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シャフリングベビーとは、四つ這いのハイハイの代わりにお座りの姿勢で移動をする赤ちゃんのことです。シャフリングベビーの語源は「足を引きずって歩く」という意味の英語“shuffle”に由来しています。

座ったままの姿勢で移動するというこのユニークな動きは、「いざりばい*注」「尻ばい」と呼ばれることもあります。シャフリングをする赤ちゃんを「シャッフラー」と呼ぶこともあります。赤ちゃんは生後半年~10ヶ月ごろまでにずりばい、腰すわり、四つ這い、高這いの順で移動手段を獲得するのが一般的ですが、シャフリングベビーはオーソドックスなハイハイをせず、お座り姿勢での移動を経てつかまり立ち、一人歩きへと進むことが多いです。

シャフリングベビーは医学的には一般的ではないが珍しくはなく、個性的ではあるが異常ではない、と考えられています。

*「いざる」は現在では差別用語とされていますが、乳幼児の動作を表す言葉として慣習的に使われてきた背景を説明するため、本記事内では部分的に使用しました。

シャフリングベビーの特徴は?


シャフリングベビーには座った姿勢で移動をしたがる以外にも、以下のような特徴があるそうです。


1. 首すわりから腰すわりまでの神経発達は定型的
2. 寝返りを始める時期が遅い、もしくは寝返りをしない
3. うつぶせの姿勢を嫌う
4. 足を床につけるのを嫌がる(足の裏を触られるのを嫌がる)
5. 脇を支えて持ちあげても脚は伸ばさず、お座り姿勢のまま
6. 一般的なハイハイはしない
シャフリングは腰がすわってからつたい歩きを習得するまでの期間に発生します。シャフリングをしている期間は1~5ヶ月強と赤ちゃんごとに幅があり、短期間のシャフリングのあとハイハイに移行する赤ちゃんと、数ヶ月間のシャフリング後につかまり立ち、つたい歩きに移行する赤ちゃんがいるそうです。

https://doi.org/10.11251/ojjscn1969.18.484
参考:1歳6カ月児健診におけるshuffling babyの疫学的調査(P41より)

シャフリングベビーになる原因、発達障害などとの関係は?


シャフリングベビーになる原因は現在の医学では解明されていません。
ほとんどのシャフリングベビーは、遅くとも2歳までに歩き始め、その後の発達は定型発達児と変わりなく成長していくのは前述の通りです。シャフリングベビーの中には、ごくまれに発達障害や神経系の疾患がシャフリングの原因となっているケースがあります。

定型発達のバリエーションとしてシャフリングする赤ちゃんと、障害や疾患を由来としてシャフリングをしている赤ちゃんを見分けるには、まず以下の4点にあてはまるかを観察する必要があります。

(1)ミルクの飲みが悪い
(2)泣き方が弱い
(3)首のすわりが悪く抱っこするとぐらぐらする
(4)手指の発達が遅い

これら4つの特徴は「低緊張」と呼ばれる状態の赤ちゃんに見られるものですが、低緊張のためシャフリングをしていると推測される赤ちゃんでも、ただちに疾患や障害があるという診断はできません。なぜなら低緊張の状態は、時間の経過や日々の運動遊びでも改善できることがあり、一過性の場合もあるからです。


■日々の運動遊びなどでできる対策
・うつ伏せ抱っこ(仰向けになった親御さんのお腹の上に、赤ちゃんをうつ伏せに寝かせて抱っこします。顔をあわせて、うつぶせの状態にならしていきます)
・うつ伏せ遊び(赤ちゃんをうつ伏せにして、目の前にお気に入りのおもちゃをみせたり、顔を見合わせてはなしかけます)
・足の裏をタッチング(足の裏の過敏さを和らげる効果があります)
・手押し車(赤ちゃんの腰や両足をさあさえて、赤ちゃんが腕を伸ばして、上半身を支えるようにうながします)

低緊張と見られる状態でシャフリングをする赤ちゃんは、さらに以下の3点についても注意しながら見ていきます。・言葉の理解が遅い
・手指の発達が遅い
・表情の発達が乏しい

この中の1つ以上思い当たることがあれば、脳性麻痺(まひ)、自閉スペクトラム症などの発達障害や疾患に由来するシャフリングである可能性があります。この場合はまず冷静に専門家に相談し、診断や支援を求めることをおすすめします。受診のきっかけがつかめない場合は、予防接種や乳幼児健診の機会を利用して、まずは小児科医に相談してみてはいかがでしょうか?

シャフリングベビーの不安を相談するには?


乳幼児の発達は特に個人差が大きく、スピードも経過も十人十色とはいうものの、ユニークな赤ちゃんの育児に不安を感じるのは親心としては自然なことかもしれません。育児書の目安とは異なるシャフリングベビーとの暮らしに疑問や迷いが生じたときは、以下に紹介する相談窓口を利用してみてはいかがでしょうか?

小児科
地域子育て支援センター
児童相談所(こども相談所)
保健福祉センター

もし住居の近くに上記のような機関があるか分からない、相談するタイミングがつかめないというときは、自治体主催の乳幼児健康診査(乳幼児健診)を利用しても、同様の相談ができます。

まとめ


シャフリングベビーとは、お座り姿勢のまま移動する個性的な赤ちゃんの呼び方です。シャフリングベビーは歩き始めるのは遅めでも、その後の発達に問題はないという統計データがあるので、その赤ちゃんなりの運動発達の道筋として温かく見守ってあげてください。


もしユニークな移動方法に不安を覚えた場合でも、シャフリングを卒業するためにできる工夫はいろいろあります。赤ちゃんの体の状態や生活環境を理解し、遊びの中でハイハイやつかまり立ちを促すことも工夫の一つですし、小児科医や地域子育てセンターに相談し、支援してもらうのも、保護者だからこそできることではないでしょうか?

赤ちゃんはその子らしいペース、方法で必ず成長していくものです。保護者の前向きな言葉かけや笑顔も赤ちゃんのハイハイやつかまり立ちの意欲をひき出します。動作のバリエーションを数多く体験をさせてあげることがシャフリングの卒業につながります。

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