18トリソミー(エドワーズ症候群)の症状、特徴は?出生前診断で分かる?原因や遺伝、予後や治療法、21トリソミーや13トリソミーとの違いも解説【専門家監修】
確定検査
上記の非確定診断で染色体異常の可能性が高いと診断された場合、確定診断を受けることになります。
1.羊水穿刺…細い穿刺針を用いて羊水を吸引し、検体(羊水中の胎児細胞)を採取します。妊娠15週以降で実施可能な検査(羊水検査)です。
2.絨毛採取…絨毛は妊娠早期の胎盤の一部で、それを採取して行う検査(絨毛検査)です。羊水検査に比べてより早く、妊娠11~14週で実施可能です。
3.採取した検体で染色体検査を行い、18番染色体が3本あることが確かめられれば、「18トリソミー症候群」と確定診断されます。
赤ちゃんの身体的外見や特徴から18トリソミー症候群が疑われた場合、血液を用いた染色体検査を行って診断を確定させます。18トリソミーの診断確定後には病状や合併症の可能性を考慮し、MR・CT検査、X線検査、眼科・耳鼻科(聴覚)評価など、必要な検査を行います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kodomo_145015_00008.html
厚生労働省ホームページ「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」
http://www.obgy.med.keio.ac.jp/clinical/birth/special.php
慶應義塾大学病院ホームページ「出生前診断」
18トリソミー(エドワーズ症候群)と診断されたら…治療法や予後は?
18トリソミーは自然流産になるケースが多く、生まれても重篤な合併疾患や呼吸循環機能の未熟性などが原因で、ほとんどの赤ちゃんが数週間~数ヶ月で亡くなります。発見から現在に至るまで、18トリソミーそのものへの有効な治療法は確立されていません。しかし近年の医療の発達により、出生後の生存率が少しずつですが伸びてきています。
外科手術を含めた新生児集中治療を行った場合で1ヶ月生存率が83%、1年以上の生存率25%と少しずつ生存率が伸びてきています。特に、先天性心疾患に対する積極的治療による心臓手術施行群(30例)では、1年以上の生存率84%、3年以上の生存率53%の報告もあります。手術をしなかった例との比率において、抜管率(チューブなどがなくても安定した呼吸が可能)、生存退院率、生存率が有意に向上しています。
しかし生存率が伸びているものの、生まれ持ったさまざまな疾患や合併症は刻々と変化するため、症状が出たらすぐに対症療法を行う必要があります。