ダウン症は老化が早い?40代から認知症も?ダウン症の寿命が伸びる中分かってきた、早期退行・早老症との関係も解説【医師監修】
また、ダウン症があると、以下のような合併症が起こりやすいといわれています。
先天性心疾患(心室中隔欠損症、心房中隔欠損症など)
消化管疾患(鎖肛、十二指腸閉鎖など)
眼疾患(白内障、斜視など)
耳鼻疾患(難聴、滲出性中耳炎など)
血液の疾患(一過性骨髄増殖症など)
内分泌・代謝疾患(甲状腺機能異常、肥満、糖尿病など)
整形外科疾患(環軸椎亜脱臼、外反扁平足など)
神経疾患(点頭てんかんなど)
精神発達遅延
自閉スペクトラム症
・ダウン症のある子どもの未就学時期
ダウン症のある子どもは身体・精神(知的)発達が遅いので、周囲に比べてのんびりしています。言葉が出るのもゆっくりです。
赤ちゃんのころにはあまり気にならなかった周囲との発達の差は、成長にしたがって大きくなります。個人差はありますが、知的障害は軽度から重度までさまざまあり、平均的なIQは50といわれています。
発達は遅めですが、幼児になると自我が目覚め、こだわりや意思の強さが見られることがあります。発達や合併症とは異なる大変さがありますが、なるべく子どもの気持ちを尊重してあげましょう。
また、合併症には引き続き注意が必要です。
早期発見・早期治療のためにも定期的に診察を受けましょう。
・ダウン症のある子どもの学童期
小学校は通常学級に通う子どもも、特別支援学級や特別支援学校を選択する子どももいます。
通常学級の場合、ダウン症がある子どもは知的障害や難聴などのため、授業についていくのが難しくなることがあります。そのため、中学、高校では、特別支援学級や特別支援学校に進むケースが多いです。
また、小児期には多動や自閉的行動を示す場合がしばしばみられます。学童期においても、合併症の定期的な診察は大切です。特に入学など環境の変化により、大きなストレスを感じていることもあります。
学校を卒業して作業所などに通うようになると、これまでの生活がガラッと変わります。
すると「これまでできていたことができなくなる」「動作が緩慢になる」「笑顔がなくなる」「言葉が少なくなる」「眠れなくなる」など、運動・生活能力が急激に低下することがあります。
これは、大きく変わった環境に不安と緊張があるためと考えられます。そんなときは、家族や作業所の支援員など周囲の人のフォローが大切です。できなくなったことを責めたり、どうしてできないの?などと聞いたりするのはやめましょう。