子育て情報『アテトーゼ型脳性麻痺とは?症状や理学療法、痙直型との違いを解説/医師監修』

2023年8月25日 06:15

アテトーゼ型脳性麻痺とは?症状や理学療法、痙直型との違いを解説/医師監修


脳性麻痺とは?原因や定義など。

脳性麻痺とは、妊娠中から新生児期の間になんらかの原因で生じた脳の損傷のために、姿勢や体の動きなどに運動機能の障害が引き起こされる症候群です。厚生労働省脳性麻痺研究班により、次のように定義されています。

脳性麻痺とは受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動及び姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅延は除外する。
(厚生労働省脳性麻痺研究班の定義(1968年))
公益社団法人日本リハビリテーション医学会/監修『脳性麻痺リハビリテーションガイドライン第2版』

https://www.jarm.or.jp/wp-content/uploads/file/member/member_publication_isbn9784307750387.pdf
脳は、体を動かすときに筋肉へどのように動かしたらよいかなどの信号を送る役割を果たしています。そのため、脳が損傷すると、自分が思った通りに動いたり、姿勢を保ったりすることが難しくなります。
脳が損傷している部位は一人ひとり異なりますので、動きや姿勢に現れる症状も一人ひとり違ってきます。

脳性麻痺の原因には、さまざまな要因による脳形成不全や、胎児期における風疹やトキソプラズマ症などの感染、出産前後の低酸素状態、核黄疸(新生児期の重度の黄疸による脳の障害)などがありますが、はっきりしない場合もあります。

脳性麻痺は、運動障害の性質により、「痙直型」「アテトーゼ型」「失調型」、痙直型とアテトーゼ型が組み合わさった「混合型」などいくつかのタイプに分けられています。このコラムでは「アテトーゼ型」について詳しく解説をします。


アテトーゼ型脳性麻痺とは?

アテトーゼ型は、痙直型に次いで多いタイプの脳性麻痺です。

もっともよく見られる痙直型は、脳性麻痺全体の約70%を占めると言われています。主な症状は、筋肉が緊張し続けているために突っ張った状態となるこわばり(痙直)と筋力の低下です。筋肉のこわばりは、両方の手足に起こることもあれば、片側の手足、足のみに起こることもあります。
次に多いアテトーゼ型は、約20%を占めると言われています。自分の意志とは関係なく体が動く不随意運動が見られるのが特徴です。

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