子育て情報『川崎病とは?主要6症状や原因、受診目安、治療や予後など/医師解説』

2023年9月6日 12:15

川崎病とは?主要6症状や原因、受診目安、治療や予後など/医師解説

数日熱のない状態が続けば、アスピリンを減量しますが、その後もしばらくは内服を継続することが多いです。冠動脈瘤がない症例では、炎症が治まればアスピリンの投与を中止しますが、冠動脈に異常が見られる症例では、長期にわたってアスピリンを内服します。

入院期間は、1回のグロブリン点滴治療で炎症が落ち着き、解熱した場合でおおよその目安として1~2週間程度です。冠動脈瘤があったり、治療を行ってもなかなか解熱が得られない場合は数ヶ月入院することもあります。退院後も外来で、年単位でエコー検査を継続することが多いです。

川崎病とは?主要6症状や原因、受診目安、治療や予後など/医師解説の画像

Upload By 発達障害のキホン

(質問)
川崎病が重症化すると命にかかわるのでしょうか?

(回答)
熱などの症状が目立っている急性期での致死率は、0.1%未満です。
しかし、2~3%の確率で冠動脈瘤ができてしまうことがあります。(心臓の血管の一部が瘤のように膨らむ)冠動脈瘤ができてしまうと、血液の流れが滞って血栓ができやすくなります。
ここから流れた血栓が冠動脈をふさぎ、その先の血流が途絶えて酸素が届かなくなってしまうと、心臓の筋肉が壊死し、心筋梗塞を引き起こします。だからこそ急性期の治療がもっとも重要であり、後年に心筋梗塞を生じるリスクを減らすことにつながります。

川崎病は全身の血管に炎症が起こるため、さまざまな臓器にも合併症がみられます。しかしほとんどは一時的なもので、適切な治療すれば重症になることは多くはありません。まれに心筋炎、心不全、不整脈、肝障害、イレウス、けいれん、脳症など重い合併症が起こることがあります。

川崎病とは?主要6症状や原因、受診目安、治療や予後など/医師解説の画像

Upload By 発達障害のキホン


川崎病は治るの?後遺症や再発の可能性について

川崎病の死亡例は、全国調査において2019~2021年の2年間で2例のみとなっています。また、再発の可能性は全体の約4%、後遺症を生じる例は約2.5%という結果が出ています。後遺症の内訳は、冠動脈の小瘤が1.44%、中等瘤が0.57%、巨大瘤が0.13%、心筋梗塞が 0.01%、弁膜病変が0.45%となっています。


このような長期的心合併症も生じうる疾患であるため、川崎病の既往がある場合には受診時に既往がある旨を伝えましょう。また、お子さん自身で健康管理を行う年齢になったら「川崎病にかかったことがある」と伝え、本人が病歴を把握しておけるようにしておくことも必要でしょう。

関連記事
新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.