子育て情報『「みんなと一緒がいい」落ち込む自閉症息子、本当の気持ちは?発達性協調運動障害(DCD)を知って』

2023年10月13日 14:15

「みんなと一緒がいい」落ち込む自閉症息子、本当の気持ちは?発達性協調運動障害(DCD)を知って

これならスバルが自分で着られるので、生活の中のほんの一部ですが人に手伝ってもらうことが減り、喜ぶかと思っていました。
しかし、スバルは浮かない顔をしていました。
そして「みんなと一緒がいい」と言うのでした。

ナイスアイデアだと思ったのに、もうどうしたらいいの……。
ダメもとでスモックのボタンを、スバルが自分でとめられるスーパー特大サイズに変えることを提案しました。見た目が大きく変わってしまうので、どうせ「みんなと一緒がいい」と却下されるのだと思っていましたが、なんと「いいね」との答えが返ってきました。

スバルの「みんなと一緒がいい」は「みんなと一緒のように見せかけたい」のではなく「みんなと一緒のことができるようになりたい」だったのです。

それから擬態作戦の一環としてお弁当包みも『ハンカチで包んでいる風の巾着』に変えていましたが、元のハンカチに戻しました。
そして試行錯誤の結果、見栄えは悪くなりますが四隅をマジックで派手な色に塗りました。バッテンしてくるりと間を通すのが難しかったようですが、通す部分の色が違うことで感覚ではなく目で見て通せるようになりました。

その日スバルは、仲良しの先生を見つけるたびに、お弁当を包む姿を披露して回っていたそうです。
見栄えの悪いハンカチを持つ格好悪さよりも、自分でできるようになった格好良さが勝ったのでした。

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スバルと私の成長

スバルの本当の気持ちを知ってから、見た目がみんなのものと違っても『自分一人でできた』という達成感を味わえるように工夫しました。
最初から折り目をつけた折り紙、冬でも短い靴下、前と後ろが分かるように印をつけた体操服、加工した縄跳び……。幼稚園生活の全てが自分一人でできるようになったわけではありませんが、「少し工夫すれば自分でできることがたくさんある」という気づきは自信に繋がったようです。自信をつけたスバルは挑戦を怖がらなくなりました。

そして、できないことに直面したときに先生や友達に「教えて」「手伝って」と助けを求めることも、目的を達成するための方法の一つと思えるようになりました。

小学生になった現在も「なんでみんなと同じようにできないんだ」と落ち込むこともありますが、努力したり自分で代替案を考えたり、ときには人の手を借りベストを尽くしています。

執筆/星あかり

(監修:室伏先生より)

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