「外ではいい子なのに、家では激しい癇癪のわが子」子どもの心理や対応は?【専門家に聞いてみました】
と思って仕事などを頑張り、その分お家ではリラックスして緩めていると思います。
外と家とで立ち居振る舞いを使い分けるのは、特性の有無や大人・子どもにかかわらず、どんな人にも見られることです。
ただ、外(園や学校など)と自宅とで落差が大きいという場合は、外で“頑張りすぎている”可能性があります。
自宅での癇癪の頻度が増えた、こだわりが強くなった、などが見られる場合は、お子さんの「家以外の場所の負荷が高まりすぎている」ことが背景にあるかもしれません。
「外で頑張っている分、ゆっくりできるお家でくらいは自分らしくいたい」「家族に甘えたい」ということで、疲れの発散やエネルギー切れの充電をしている、と捉えることができます。
Upload By 発達ナビPLUS
菅佐原:ただ、1点気を付けないといけないのは「過剰適応」というケースです。
「過剰適応」というのは、外での頑張りを続けるのが難しいくらい負担が大きい状態です。
お子さんによっては「いい子に振る舞わなければならない」と思い込んでいたり、「怒られるのが怖い」といった不安から頑張りすぎてしまうケースもあります。
先ほどお話ししたように、外と内とを使い分けるのは、ある意味「社会性」として必要なものです。
しかし、過剰適応の場合は「そうしなければ」という強い不安に突き動かされ、過度な負担が長く続いている状態になります。
いずれにしても、お子さんにとって過度な負担が続いている状況で、エネルギーの「充電」と「消費」のバランスが大きく「消費」に傾いてしまっていることになります。
そのため、「お家で大変」というのは、お子さんの「外の環境がとても大変」というサインとして受け止めることが大切です。
ーー発達特性の凸凹の大きいお子さんの場合、学習や集団行動の苦手さがあると、より外で頑張るポイントが多いかと思いますがいかがでしょうか。
菅佐原:お子さんによっては、学習のペースやお友達とのやり取り、一斉指示への理解、持ち物の管理など、一つひとつのことに大変さがあることが予想されます。また、お子さん自身が自分の大変さに気付いていない場合もあります。
逆に、気付いていても、それを周囲に訴えることが難しかったり、自分でどうにかする手立てを持っていなかったりすることもあります。
自分の大変さに気付いていなかったり対処法を知らなかったりすると、より外での大変さは高まりますし、その結果自宅での発散(癇癪など)