自閉症中3息子、初めての通信制高校オープンキャンパス。面談、体験授業は苦手なことの連続で…
通信制高校のオープンキャンパス
ASD(自閉スペクトラム症)の太郎は、中学3年生。特別支援学級に在籍している。
私は太郎の中学卒業後の進路について、担任の先生、放課後等デイサービスのスタッフの方、主治医に話を聞いたり、Webサイトで高校の情報を得たりした。そして、太郎の特性を考慮し、2つの高校に絞った。家から通学時間が30分圏内の普通科高校と、通信制高校である。
太郎に「高校」「オープンキャンパス」の話をすると、実際に目の前にしていないため、なんのことやらという表情になり口数が減る。それでも私は、家からの交通手段、通学時間、学校の特色、合わせて太郎になぜこの高校がいいと思ったかを説明した。そのうえで、7月半ばに初めてのオープンキャンパスに参加した。
通信制高校であるが、月曜から金曜まで登校が可能な高校である。一学年が30人と少人数ということに加え、通常のクラスに入れないと感じたり苦手とする授業を受けたりする時には個別に指導していただける教室があるところが魅力だと考えていた。また、授業の開始時間が普通科高校と比べて1時間ほど遅いため、満員電車も避けられる。乗り物酔いをしやすい太郎にとっては、好条件だと考えていた。
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校舎に入る前から太郎は緊張していて、口数が減っていた。
校舎に入ってからは在校生の実体験や先生からの学校説明があった。太郎はその時点ですでにガチガチに固まっていて、私が話しかけても首を縦に振るか横に振るかで声を出せなくなっていた。
「緊張している?」と小声で声をかけると、こくんと縦に首を振った。
「少し水分摂る?」と再度声かけをした。太郎は首を横に振った。
1時間超の説明が終わるまで太郎はずっと声を出すことなく、緊張が伝わってきた。説明のあとには、高校の先生と簡単な三者面談が設けられていた。
高校の先生との三者面談
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そこでも太郎の緘黙、緊張状態は変わることなく……というより、さらに強く表れた。先生が太郎に話しかけても視線も合わせることなく、下を向いたままで頷くこともやっとの状態になっていた。
先生も異変に気づいた表情をされた。私はすぐに、ASD(自閉スペクトラム症)の太郎の特性を説明した。先生は「なるほど、その特性を伝えてくださっていたら、面接時にこちらも配慮いたしますので」