子どもと離れて、語らう時間が保護者の拠り所に。江東区・脱孤育ての取り組みとは?
文部科学省の認可を受け、子育ての相談にのったり、親子で参加できる講座やワークショップ、地域の情報の提供などを行うものです。ただ、当時は家庭教育支援チームといっても、まだあまり知られていなくて、設立当初は本当に手探りの運営でしたね。
――江東もっくは、「木育」を取り入れているのが、大きな特徴ですね。このアイデアは設立当初から?
江東区は、江戸時代から材木業で栄えたという歴史を持ちます。木のある街の家庭教育支援なんだから、「木育」も入れよう、ということで、ここはすんなり決まったんです。江東もっくには3つのルームがあって、そのうちの1つが木育の部屋。「もっくプレイルーム」という名で、子どもが木を使って遊び、学べるルームです。
――木の香りがいいですね。
気持ちが落ち着きますよね。大人もリラックスできます。やすりをかけただけのなんでもない木でも、いろんな形のものを並べたり、積み上げたりするだけで、子どもたちは楽しそう。子どもたちの感覚を育てるのにも、いい影響があると感じています。
保護者にも子どもと離れてリラックスする時間を
――設立当初は手探りの運営だったということですが、苦労されたことがあれば教えてください。
まず、立ち上げの時期はコロナ禍でしたから、「誰も来ない」なんてことも多かったですね。ただ、私たちのメンバーには、保育士、保健師、手話の先生、元校長や保護士、それから不登校の子どもを育ててきたお母さん、本当にさまざまなバックグラウンドを持った人が集まっています。いろんな人がいるからこそ、誰がきても大丈夫。
みんなでアイデアを出し合い、手話のワークショップ、就学相談など、少しずつプログラムを決めていきました。
――プログラムなどを決めていくなかで、本田さんがいちばん大切にされていたことはなんですか?
私自身も子どもに発達障害があり、不登校になった時期も経験しています。子育て中のお父さん、お母さんが、休める場所を作りたいという思いはずっと強くありましたね。とくに障害のあるお子さんを持つと、子どもから片時も目を離せない、という保護者が多い。でも、親にとっても、自分の時間を持つことって大事なんですね。いい意味で、子どものことを忘れられる時間が必要だと思うんです。
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――確かに、親になると子ども中心で、自分の時間はなかなかとりにくいですね。