通信制高校受験を決めた自閉症息子。ストレスが重なり体に異変!?「学校に行かない」宣言に母は…
通信制高校の専願入試準備と、体育祭の練習
ASD(自閉スペクトラム症)の太郎は、通信制高校の専願入試を受けることになった。
専願入試では、願書作成と作文が必要になる。作文は事前にテーマが決められていて、面接時までに指定枚数分を書いておかなければいけない。作文は太郎の苦手とする分野であるため、間違いなくストレスを大きく感じるだろうと思った。そしてこの受験準備に体育祭の練習がきれいに重なった。
太郎は体育祭の練習が始まると、すぐに自宅で異変が表れた。食事中にえずいたり、表情が強ばったり、口数が減ったりしていた。
太郎の苦手なことに対する拒否反応のサインは幼い頃から続いている。
保育園時代は声が一時出なくなったりもした。小学生時は嘔吐や体調不良になった。中学1年次も吐き気がすると言い保健室で過ごしたりもした。昨年の中学2年生時は学校へは行ったが、体育祭までは毎日のようにうつ向いて歩いて活気もなくなっていた。
なので今回の異変にも直ぐに「体育祭と直結しているな」と思った。
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私は、太郎がストレスを抱えていることは100も承知だったが、あえてそのストレスに対しての直接的な声かけはせず、「どうしたの?」「 大丈夫?」という間接的な声かけにとどめた。最近は太郎自らがヘルプを出せるようになっていたからである。
体育祭の練習が始まって2日目くらいの出来事だった。朝は私のほうが太郎よりも先に仕事へ行く。「行ってきます」と言うと、太郎は少し元気なく「行ってらっしゃい」と言った。しばらく車を走らせるとまだ家に居る太郎からメッセージがきた。
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言葉で表せんのかい!!っと心の中で突っ込みつつも、仕方ない、ようやくヘルプがきたな、と直ぐに電話をした。
「どうしたの?」
「きつい」
「何がきついの?身体?心?」
「分からない、学校に行きたくない」
「そうか、理由はあとで聞こう。休みの連絡しておくから休むといいよ」
「うん。
ありがと」
ここからが始まりだった。1度休むことを良しとしたあと、太郎は学校へ行かなくなった。夜になると私の周りをウロウロとして「明日はどうしよう」と話し始める。
「体育祭が終わるまでは学校へ行かない」太郎の固い意志
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行くかどうか迷っているのかと思ったが、そうではなかった。