11/15公開!ドイツで100万人動員の大ヒット映画「ぼくとパパ、約束の週末」自閉症の息子と家族が教えてくれる大切なこと【モデル父子インタビュー】
対決するたびに2人ともひどく傷つきますし、心が痛むんです。でも、そこから学ぶことも多いですし、ひとつの対立から立ち直り、それをいい経験にしようと考えるきっかけにもなるんです。私にその力を与えてくれたのはジェイソンでもありますし、ジェイソンの妹である娘、妻でもあるんですよね。家族から力をもらい、どんな対立があったとしても、その都度、元気をもらってきました。そう言えるのは、つらい体験だけでなく、素晴らしい体験もいっぱいしているからなんです。大変な電車での旅もしましたし、いまこうやってジェイソンが個人的に社会に貢献しようとしている姿を見ると、ものすごく心が潤いますし、あらためて、ジェイソンから力をもらっています。
ーー映画化する際に、ミルコさんが一番大事にしたことを教えて下さい。
ミルコ:映画化のお話を頂いたときに、重要だと思ったことは3つありました。
1つ目は、内容が歪んで伝えられないこと。2つ目はジェイソンのキャラクターが正確に再現されること。そして3つ目は苦しむことを見せる映画ではなく、観てくれた方が楽しいと思える作品にするということでした。とくに2つ目のジェイソンのキャラクターでは、彼がどのような才能を持っているか、そして彼がこだわる“持続可能性”や環境に対する情熱、我慢できることとできないことなどを、しっかり正確に伝えることを大事にしてほしいと制作サイドに伝えました。
――実際にスクリーンでジェイソンを見て、どう感じましたか?
ジェイソン:僕が最初に見たシーンは、電車の中で食事をするシーンでした。劇中でジェイソンはパスタとソースがくっついてしまい、パニックになってしまうんです。そのシーンがあまりにも現実と同じで、僕自身、恥ずかしくなってしまうくらいで(苦笑)。でも、それくらい迫真の演技だったんです。
ほかのシーンにはポジティブなシーンもありましたし、全体的に素晴らしいと思いました。なによりも、自分のキャラクターを、客観的にみることができたのも、すごく良い経験になりました。
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――映画では息子さんがパニックを起こした時に周りの人から理解を得られず、お父さんが葛藤しているシーンも描かれました。ミルコさんは、ジェイソンさんの障害をどのように受容してきたのでしょうか。
ミルコ:僕がミルコの障害を受容できるようになったのは、ふたりで旅をし始めてからだと思います。