地頭を鍛える方法はただひとつ。子どもに「熱中体験」をさせよ
そして親は、その好奇心の芽をつまないように、子どもと一緒に考えてあげればよいのです。その時間こそが、子どもの地頭を鍛えることになるのですから。
では、地頭を鍛えるためのアクティブ・ラーニングの2ステップを紹介します。
【STEP1|日常から疑問を引き出す】
まずは、子どもに普段から疑問を投げかけてみることを心がけましょう。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』で知られる、東大生の西岡壱誠さんは、身のまわりのものを考える契機にしたり、得た知識を身のまわりのものに関連づけたりすることで「考える力」が身についたそうです。
子どもに投げかける質問も、普段の生活から引き出すと良いでしょう。また、YES・NOで答えられない質問にすることもポイントです。「秋になって赤くなる葉っぱと緑色のままに葉っぱはどういう違いがあるだろう?」「昼間はなんで星が見えないんだろう?」「カエルの耳ってどこにあるの?」などです。
慣れてきたら、「今日は5つ不思議なことを見つけてみようか」など、子ども自身に疑問を見つけさせると良い訓練になります。「なぜ?」と思うことは、熱中体験への第一歩です。親がどんなことでもおもしろがってあげることが、子どもの思考力につながります。
【STEP2|疑問に思ったことを分析する】
次に、出てきた疑問は「いま知っている情報」から考えるよう促しましょう。先ほど挙げた質問の具体例に対応させると「公園に行って一緒に木を見てみようか」「昼に望遠鏡で空を見てみようか」などです。わからないからといって「Google先生に聞いてみよう!」というのはナシですよ。
子どもがその質問に対して、例えば「赤くなる葉っぱのほうが多い」のように答えたとします。そうしたら、「どうして赤くなる葉っぱは多いんだろう」などとさらに深める質問をしましょう。
この際、どのような答えが出たとしても、親は優しく受け止めてあげてください。このワークは、「疑問を分析して考える」ことに意味があるからです。
これらの2つのステップを繰り返し行なうことで、だんだんと自分から疑問を見つけ出し考えるようになります。そうしていると習慣づけられ、難しい問題に直面しても諦めずに考える思考力、つまり地頭が鍛えられるのです。質問をくり返しているうちに、子どもの「好きなこと」が発見できるかもしれませんね。
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前出の石田さんは、こう話しています。