子育て情報『レッジョ・エミリア教育は何がすごいの? Googleにも採用された理由とは』

レッジョ・エミリア教育は何がすごいの? Googleにも採用された理由とは


-造形美術の専門教師(アトリエリスタ)と保育士による、2~3人のグループが担当。
-子どもが活動している様子を多数の写真に収め、録音する。
-子どもが興味を示したことに関して、1枚もしくは数枚の写真をピックアップする。
-活動の過程や子どもの考えが分かるような言葉を添える。
-教室や廊下に掲示する。

具体的に、ドキュメンテーションには以下のようなことが書かれていたそうです。子どもたちの行動や発言が細かく記録されているので、その場にいなかった人でも様子をありありと思い浮かべることができますね。


エレーナは来てすぐにライトテープルの脇にいるフェリックスのもとに直行した。
四角や三角などの異なる形を見ながら、エレーナは「丸のかたちはないの?」と尋ねてきた。しかし、丸の形がないと知ると、彼女は自分で丸を作り始めたのだ。彼女が三角形をつなぎ合わせれば円を作れる、という直感を持っていたことに私は驚いた。

エレーナ:私は丸を作ったよ。今度は丸を分解していくの。
フェリックス:僕は四角を集めてる。これってマグネットなんだ。マグネットがいっぱい!
エレーナは、円を作るために組み合わせた三角形をひとつひとつ指さしながら言った。

エレーナ:青、だいだい、緑、だいだい、だいだい、緑。
フェリックス:これとこれは同じ色だ。(だいだい色の三角形を2つ指し示しながら)
(後略)

(太字による強調は編集部で施した)
(引用元:身延山大学 リポジトリ|レッジョ・アプローチによるドキュメンテーションの実例検討 (長澤市郎先生退職記念号))
伊東教授によると、この施設におけるドキュメンテーションは、以下の3つの観点に基づいて行われていたそう。


1.子どもの思考を視覚化できるよう、効果的にレイアウトする。
2.結果報告ではなく、子どもたちの探究活動の経過の記録である。
3.子どもを「多大な可能性を持つ存在」としてとらえ、尊敬する。

日本でも、子どもたちが工作や遠足をしている写真を掲示している保育園・幼稚園はありますが、あくまで「活動の簡単な紹介」にとどまっているのではないでしょうか。ドキュメンテーションのように、文字による詳しい説明はほぼ見られませんよね。
子どもたちを尊敬し、彼らが何を行って何を考えているのかを客観的に分かりやすく表現するドキュメンテーションは、レッジョ・エミリア教育を体現しているものといえるでしょう。

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