子育て情報『問題解決能力や共感能力を高める「シティズンシップ教育」。広く社会を見るための “3つの眼” とは?』

2018年12月5日 12:46

問題解決能力や共感能力を高める「シティズンシップ教育」。広く社会を見るための “3つの眼” とは?

このように、アクティブ・ラーニングの見地からも大いに期待できる『シティズンシップ教育』。日本でも、ここ数年じわじわと広がりを見せており、御茶ノ水女子大学付属小学校や大阪教育大学付属池田中学校なども「市民科」の授業として取り入れ始めています。

問題解決能力や共感能力を高める「シティズンシップ教育」。広く社会を見るための “3つの眼” とは?


日本にも広がるシティズンシップ教育「市民科」の授業

2006年、経済産業省は『シティズンシップ教育』を学校で普及させるための提言を行いました。


■経済産業省が定義する『シティズンシップ』

多様な価値観や文化で構成される社会において、個人が自己を守り、自己実現を図るとともに、よりよい社会の実現に寄与するという目的のために、社会の意思決定や運営の過程において、個人としての権利と義務を行使し、多様な関係者と積極的に(アクティブに)関わろうとする資質

その目的は、一人の市民として社会に貢献する姿勢を養うことのほかに、他者との適切な関係を築き、個性を発揮し、自己実現を行い、より良い社会づくりに関わるために必要な能力を身につける、というものです。

たとえば、すでに「市民科」の授業として取り入れている御茶ノ水女子大学付属小学校では、社会的論争問題を見る重要な視点としての「3つの眼」を育むために、ある課題にみんなで取り組みます。

■社会を見る3つの眼とは
1.社会には、一個人の工夫や努力で、できることとできないことがある
2.個人の利害と社会全体の利害は必ずしも一致しない
3.だから世の中は、広い視野から社会を調整するしくみが必要であると共に、一人ひとりの工夫や努力が必要である

ここで論題の具体例をご紹介します。
・もしもお茶小が火事になったら
・あと30年で埋立地がなくなってしまう。東京をゴミの山から救うにはどうしたらいいだろう
・他県の友だちに東京らしいところベスト3を紹介しよう

このようなテーマをもとにみんなで議論をするのですが、重要なのは「それぞれの立場の長所と短所を考えること」です。
自分と同じ意見もあれば正反対の意見もある。さまざまな意見を聞き、話し合いを進めることで、広い視野で物事を見る訓練にもなりそうですね。

問題解決能力や共感能力を高める「シティズンシップ教育」。広く社会を見るための “3つの眼” とは?


シティズンシップの根底にある倫理観・正義感

教育ジャーナリストの斉藤剛史氏によると、いじめ問題を考えるとき、この『シティズンシップ教育』が子どもたちにしっかりと根づいていることがわかるそうです。

悲しいことに、日本だけでなく世界各国でいじめ問題は無くなりません。

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