子育て情報『“おなら” に “裸”、なにを書いてもOK!? 「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力』

“おなら” に “裸”、なにを書いてもOK!? 「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力

という感覚に教師が近づかなかったら、彼らといい関係が築けるわけがありません。

“おなら” に “裸”、なにを書いてもOK!? 「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力


そうして、はじめたのがユーモア詩でした。ルールはありません。なにをどう書いてもいい。そして、そのうち、ユーモア詩がびっくりするような出来事も引き起こしました。そのきっかけとなったのが、この詩です。


弟ってすごい?

並木勝也(4年)
こないだ弟が外を走っていました。
弟が
「ぼく、すごいのできるよ!」
と言いました。

弟は走りながらぼうしやクツも
ぬぎました。
そしてクツ下もぬげて
ズボンもぬげました。
それから弟はぼくに
「まっ、お前じゃできねーな。」
と言いました。

そんなのやりたくねーよ!

これを見て、わたしは並木君に「面白い、見てみたい」と言いました。並木君の弟は当時、年長さん。服を全部脱いで裸になって「すごいでしょ?」と自慢げに言う彼を、わたしは「すごいね、たいしたものだね」と褒めまくりました。

その2週間後、並木君が「弟が技に磨きをかけたから、また見てほしいそうです」と(笑)。もちろん、見に行きましたよ。
今度は服を全部脱ぐまでの時間が大幅に短縮されていた。わたしは「もう名人芸だね」と大絶賛しました。

“おなら” に “裸”、なにを書いてもOK!? 「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力


じつは、並木君の弟は、保育園ではちょっと問題がある子どもでした。ところが、小学校に入学したらきちんと座って真面目に授業を受けている。「僕は小学校の増田先生に褒められた、できるはずだ」と思ったそうなんです。そうして、6年生になったらなんと児童会長になっちゃった。

わたしは、ただ裸になることが早いと褒めただけ。それなのに、子どもにとってはそれが自信になる。
どんなにばかばかしいことでもいいんですよ。「いいよね、面白いよね」と言ってあげることが、その子どもを認めてあげることになる。

大人は、子どもがいわゆる「いいこと」をしたときにだけ褒めますよね。そうすると、子どもはその「枠」のなかにしかいられなくなる。

自己肯定というのは、「いいこと」のようなプラスのことだけに働くものではいけません。マイナスのことも含めて、「あなたはそのままでいいよ」と言ってあげなければ、本当の自己肯定感は育たないのです。

“おなら” に “裸”、なにを書いてもOK!? 「ユーモア詩」が伸ばす子どもの力


子どもの本音を知り観察眼や表現力を伸ばす

ユーモア詩が影響を与えるのは、子どもだけに限りません。親同士、親子の関係も変えていきます。
たとえば、この詩もそういうきっかけになりました。

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