子どもの自信がぐんぐん育つ! 学力の高さと比例する「自己効力感」を上げる方法
この調査では、「やる気になればなんでもできる」と回答した子どもを『自己効力感が高い』とし、学力や学習の質(学習力)・学習方法から、保護者との関係に至るまで調査・分析しています。
・小学生の成績上位者では87.0%が自己効力感を持っているのに対して、成績下位者で自己効力感を持っているのは74.2%と低い。・「勉強する前に机の周りを整理する」「計画を立てて勉強する」「遊ぶときは遊び、勉強するときは集中して勉強する」などの項目においても、自己効力感が高い子ほどその傾向が強い。
・「難しい問題をじっくり考えることが得意」「親に頼らず自分で決めることが多い」「人より優れたところがある」と答えた割合は、自己効力感の高い子どもの方が多い。
・自己効力感が高いほど、自分に対する自信=自己肯定感を持つ傾向がある。
このように、自己効力感と学力・学習力は深い関係にあることがわかりますね。
成功体験や乗り越え体験が自己効力感アップのカギ
さらにこの調査では、
「あなたのお母さんは、成績が悪くても、努力を認めてくれる」
「あなたのお母さんは、やればできると励ましてくれる」
「あなたのお母さんは、私のことを信じてくれている」
という3つの質問をしました。
その結果、「自己効力感が高い子どもは、保護者が子どもの努力の過程を認めて、やればできると励まし、子ども自身が『保護者は自分を信じてくれている』と感じられるような関わり方をしている」という結論に達したのです。
ちなみに質問では「お母さん」となっていますが、父親との間でも同様の傾向が見られました。
慶應義塾大学教授鹿毛雅治氏は「他者から「あなたならできる」という助言や暗示等の言葉をかけられ励まされた個人には自己効力感が生まれ、その行動へのやる気が喚起される」と述べます。つまり、身近な存在である保護者からの言葉かけが、子どもの自己効力感を高めることにつながっているのです。
また、発達心理学者の筑波大学教授櫻井茂男氏は、自己効力感を高める方法をいくつか提案してます。
・子どもの自己選択場面を多く設ける
・子どもが成功体験を積み重ねられるように配慮する
・できるだけ称賛する
頑張っても結果が出なかった場合、その過程の努力を認めて褒めてあげましょう。なぜなら、それはスモールステップごとの壁を乗り越える体験を支援していることにつながるからです。