子育て情報『1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」』

2018年12月14日 10:33

1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」

そして、これらの活動のなかには「共同でやること」、そして「自分自身が取り組み練習すること」が必ず含まれます。それが1年生にとっての学びなのです。

1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」


「土台」ができあがれば学習速度が一気に上がる

――一般的な授業とは大きく異なるようです。

鴻巣先生:
もちろん、国語や算数など、一般的な教科に該当する授業もあります。ただ、シュタイナー教育では、最初に学ぶための「土台」をつくることを重視します。

先ほどお話したように、これらは子どもにとっては遊びみたいなものですから、親御さんに「今日は学校でなにしたの?」と聞かれると、子どもは「先生と遊んできた」と答える。ですから、親御さん、特にお父さんのなかには心配してしまう方もいますね。「この学校、大丈夫かな」って(笑)。


ただ、わたしたちは、子どもがどんな時期なのかということに重きを置いて、人間の成長に合わせた無理のない学びにしているだけのことです。まわりから見ると、3年生まではすごくゆっくり学んでいるように見えるでしょう。ですが、きちんと土台ができあがると、4年生以降ではかなり早く学びが進むのです。

――「エポック授業」というものが大きな特徴だと伺いました。

鴻巣先生:
これは、すべての学年の1時間目におこなわれる110分の授業です。110分というと長く感じると思いますが、1年生だったら最初の45分から1時間くらいは、先ほどお話したライゲンなどをして子どもたちは動いています。そして、30分くらい集中して勉強をする。そして最後の15分は教師の話を聴きます。


勉強の内容は、一般の学校の国語、算数、理科、社会にあたる教科です。しかも、2週間から4週間ほどのスパンで、毎日、同じ教科の同じ内容を集中的に学びます。そして、その教科が終わったら、次の教科に集中する。前の教科で学んだことは、1回寝かせます。たとえるなら味噌のようなもので、寝かせて発酵させるわけです。

――寝かせることにはどういう意味があるのでしょうか。

鴻巣先生:
寝かせているのですから、他の教科に取り組んでいるときには、学んだことが頭のなかに出てくることはありません。でも、しばらくたってふたを開けたときには熟成されている。
しっかり潜在意識に刻まれ、強化された記憶のなかから「こうだった!」と取り出すことができるわけです。

1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」


子どもの成長段階をしっかりと見つめる

――貴校の授業で特に強く意識していることがあれば教えてください。

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