子育て情報『1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」』

1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」

鴻巣先生:
一般の学校で学ぶ内容も、より生活に根差したものとしてとらえるということです。

3年生の算数ではものの単位を習います。ただ、それを「紙の上」で終わらせることはありません。1kmを学ぶためには、1mのロープを10本つなげて10mのロープにして、それをみんなで持って実際に測ります。なぜなら、わたしたちのまわりには「世界と切り離されたもの」はなにひとつないからです。

世界とのつながりをとおして学ぶことは、実際にそこにあるものの見方――「観点」を学ぶということ。だからこそ、授業でならったもの以外のものを見ても、学んだことをきちんと活かせるようになる。応用が効くと言ってもいいかもしれません。
これは「紙の上」だけでの学びでは得られないものです。

――一般の学校に通う子どもを持つ親御さんでも生かせる貴校の教育の考え方はありますか?

鴻巣先生:
まずは、いまお子さんがどういう時期にあるのか、しっかり見てあげてほしいですね。1年生は幼稚園児と比べると大きくなったように見えますが、さまざまな場面でまだ親の支えが必要な段階です。

いまの子どもたちには、「できないことはいけないこと」という感覚があるように思いますが、できなくても平気なんですよ。失敗してもまたやってみたらいい。ただ、親が一緒にやってあげる必要があります。そして、もう支えがいらないのか、助けてほしいけど言えないだけなのか、そういうことをきちんと見抜いてあげてほしいと思います。

1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」


■ 東京賢治シュタイナー学校

■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園

■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧
第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質
第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」
第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる
第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」

【プロフィール】
東京賢治シュタイナー学校
1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。
その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」

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