子どもの気質をテストで診断。脳のタイプ別「“勉強好き” に育てる方法」
【C】承認欲求が強い「報酬依存傾向」
この傾向にとっての報酬とは、「まわりから認められているという実感」です。この実感がなくなると不安に陥ってしまいますが、自分を認めてくれる人の前では存分に力を発揮できます。この傾向の子どもが期待しているのは「頑張ったね」「すごいね」という褒め言葉です。家での勉強についてはもちろん、学校での勉強についても話を聞いて、「今日もよく頑張ったね」と褒めてあげてください。
【D】完璧主義の「固執傾向傾向」
【C】とは逆に周囲の評価はほとんど気にしません。なにかをはじめると完璧にやり遂げないと気が済まず、ものごとに白黒をつけたがる傾向もあります。この傾向を持つ子どもは一つひとつ着実に勉強していくことを好みます。一度に複数のことをするとストレスを感じるので、勉強の優先順位をつけさせるといいでしょう。
また、完璧主義ゆえに自己評価が低い一面もあるため、勉強したら「今日できた勉強」を書き出すなどして、勉強の成果を肯定的にとらえられるよう工夫してあげてください。
子どもがどういうことに快楽を感じるのか、それに合わせて言葉や環境を選んであげることが大切です。中学入試を受けるにしても、「この学校に行けば世界が開けるぞ」と言うのが子どものやる気アップに効果的なのか、あるいは「あとあと安全だよ」「みんなに褒められるよ」「こんなすごいことができるぞ」と言うのがいいのか。特に気を使いたいのは一見矛盾する傾向がいずれも強いとき。そういう場合、子どもはストレスを抱えやすいので、子どもの「ああでもない、こうでもない」に粘り強く付き合ってあげてください。
『男の子がさいごまでできる めいろ』
『女の子がさいごまでできる めいろ』
篠原菊紀 監修/KADOKAWA(2018)
■ 脳科学者・篠原菊紀先生 インタビュー一覧
第1回:記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」
第2回:子どもの「やる気」と「集中力」を引き出す脳科学的テクニック
第3回:子どもの気質をテストで診断。脳のタイプ別「“勉強好き”に育てる方法」
第4回:「間違った褒め方」していませんか?子どものやる気を維持させる「褒め方」メソッド(※近日公開)
【プロフィール】
篠原菊紀(しのはら・きくのり)
1960年生まれ、長野県出身。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。