「会議・交渉・契約書」で自己肯定感が育つ。子どもをぐんと伸ばす“おこづかい”のあげ方
といわんばかりだというのです。単純に掃除が楽しくなったということもあるかもしれませんが、3歳の子どもにも少なからず責任意識が芽生えたと見ることもできますよね。
「おこづかい契約書」をつくることの意義
「おこづかいプログラム」のふたつ目の特徴は、「親子で『会議』を開いて両者合意のうえでおこづかいのルールを決め、『おこづかい契約書』を作成する」ということ。ここで、「おこづかい契約書」の一例を紹介しておきましょう。
【おこづかい契約書一例】
おこづかいのルールには、子どもがするべき家の仕事、おこづかいの金額はもちろん、例のようにボーナスを得るための特別な仕事やその金額を盛り込んでもいいかもしれません。また、使いみちや貯金額についてのルール、1回の買い物で使ってもいい金額、1年ごとのおこづかいの上昇金額、「おこづかいの金額アップを希望するなら交渉ができる」といった文言を盛り込んでもいいでしょう。
いずれにせよ、「○年生だからおこづかいはいくら」というふうに、親が一方的に決めないことが大切です。子どもを「大人扱い」するわけです。お父さんやお母さんの仕事の話に出てくる「会議」に参加して、おこづかいのルールを「交渉」して、普段は使わない言葉で書かれている「契約書」というものをつくる。これだけで、子どもからすれば一気に大人になった気分になるでしょう。
そして、それらの取り組みは、自己肯定感を育むことにもなる。自己肯定感というものは、達成感を得たり、自分が社会で役立っている、自分の存在を他人が認めてくれることを実感したりすることで高まっていくものです。
親が自分を大人扱いしてくれる――。大好きなお父さんとお母さんが自分の存在を認めてくれるわけですから、子どもが自信を持たないわけがありません。
しかも、せっかく契約書をつくるのなら、面白おかしく楽しんでやってほしい。たとえば、普通紙じゃなくてちょっと高価ないい紙にするとか、サインには万年筆を使うとか、まるで条約の合意文書をつくるように楽しんではどうでしょうか。子どもはきっと、「よし、やるぞ!」ともっともっとやる気を出してくれるにちがいありません。
興味を示すものだからこそお金を遠ざけない
おこづかいのルールを契約書にして残すことには、他にも意味があります。それは、親子それぞれの「抑制装置」として働く点です。
子どもの立ち場からすれば、おこづかいが足りなくなることもあるはずです。