子どもの宿題どこまで見てる? “ながらチェック”や“音読聞き流し”が危険な理由
宿題をしない子にイライラするのは無意味
とはいえ、親だって人間です。余裕があるときは優しく諭すことができても、忙しくて視野が狭くてってしまうこともあるはず。そんなとき、子どもが約束通りに行動しない、一度注意しただけでは態度が改善しないとなったら、つい感情的になって「宿題しないならゲームは捨てるよ!」「毎日同じこと言わせないで!」と怒鳴りつけてしまうこともあるでしょう。
『「つい怒ってしまう」がなくなる 子育てのアンガーマネジメント』(青春出版社)の著者で、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久美さんは、「怒り」の感情について次のように述べています。
怒りというのは、自分の中にある「こうあってほしい」「こうあるべき」という思いが、その通りにならないときに生まれます。
(中略)
「べき」にはその人が大事にしている価値観が表れます。親の場合、自分の考えこそが常識だと考え、子供に「べき」と思う価値観を押し付けてしまいやすいのです。
(引用元:プレジデントムック(2018),『プレジデントFamily 2018冬 算数が大得意になる』, プレジデント社.)
つまり、親御さん自身が無意識のうちに「言われなくても宿題をやるべき」「言われたらすぐに宿題をするべき」といった感情にとらわれていることにより、その通りに行動しないわが子に対して必要以上に怒りを覚えてしまうのです。
そんな「べき」にがんじがらめにならないためには、どうしたらいいのでしょうか。戸田さんは「怒る・怒らないの境界線を明確にすること。また、子どもが最終的に約束を守ったなら“まあいいか”とすること」が重要だと説きます。
昨日は許されたのに今日は怒られた、お母さんは許してくれるのにお父さんには怒られる、というように曖昧な基準で怒ってしまうと、子どもには「自分の行動によってではなく、親の機嫌で怒られる」という印象しか残りません。
まずは、勉強やゲームの時間について家族みんなで話し合って「境界線」を明確にすることが大切です。「ゲームは1日30分まで。続けてやっていいのは15分間。宿題をした後に15分、夕食後に15分、と決めたらその時間を守ろうね」
「一度声をかけて行動したら怒らないよ。
ただし、2回声をかけてもすぐにやらなければ、お父さんもお母さんも怒るからね」
このように、一度親子間での認識を確認し合いましょう。