「プレゼン能力」「独創性」が通知表で評価されるオランダ。自己肯定感が高まる教育プロセスとは?
子どもたちの個性を大切にする『イエナプラン』教育で知られるオランダ。その教育環境の良さや子どもの幸福度の高さ(2013年・世界第1位)から、日本でもオランダ教育の要素を取り入れていこうという動きが出てきています。
今回は、教師の役割や通知表の評価の仕方を通して、日本とは何もかも違うオランダ教育について考えていきましょう。
イエナプランだけじゃない!?学校ごとに異なる教育方針
オランダでは、学校が「子どもの未来を作る場」だと考えられています。そして、学校は「自分の好きなことや得意なことを見つける場所」という考えが、社会に根づいているのです。このように、国全体で子どもの未来につながる教育を目指していて、憲法でも『教育の自由』が保証されているオランダ。よく知られているのは「イエナプラン教育」ではないでしょうか。
■イエナプラン教育って?
ドイツのイエナ大学教授ペーター・ペーターゼンが生み出した、子どもたちの個性を大切にして対話を重視する教育のこと。
<特徴>
○異なる年齢の子どもたちが一緒に学習する。
○子どもたちが輪になって、さまざまなテーマについて話し合い発表する。教師は進行役に徹する。
○教室は「リビングルーム」という考え。グループ活動がしやすいように、自由に移動可能な机・椅子が配置されている。
※イエナプランについて、詳しくは過去記事をご覧ください。
□尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く”オランダの「イエナプラン教育」
□オランダで大人気「イエナプラン教育」とは?日本でも開校間近“期待のスクール”の魅力。
もちろん、オランダのすべての小学校がイエナプラン教育を取り入れているわけではありません。「100人いれば、100通りの教育方法がある」といわれるくらい多様性に富んでいるオランダ教育には、他国で生まれた教育も積極的に取り入れる柔軟さがあるようです。
先生はコーチ!自己肯定感を育む授業の仕組み
『子どもを伸ばす共育コーチング』(拓殖書房新社)の著者でコーチングのプロとして活躍中の石川尚子先生は、視察に行ったオランダの学校で次のような授業風景を目にしたそう。
オランダの学校では、授業の折々に、先生から質問が投げかけられます。
(中略)
純粋に、子どもたちの考えを促す質問です。どんな答えが返ってきても、先生はまず受け止めます。ですから、子どもたちにも、先生が求めている正解を答えなければという思考がありません。誰かの評価を得るためではなく、純粋に自分はどう思うかを考え、表現し合います。
(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|教育にコーチングが根付いている国の子どもは幸福度が高い?[やる気を引き出すコーチング])