東大生の約9割が読んでいた「図鑑」。子どもの “知的好奇心” をぐいぐい引き出す活用法
親が「まだ難しい、知らなくていい」と制限してしまうと、子どもも敏感に反応し「このくらいでいいんだ」と自分に制限をかけてしまうことになります。
図鑑の知識と現実の体験を結びつけるのは親の役割
図鑑にはたくさんの知識が詰め込まれていますが、それはあくまでもバーチャルの知識。そこに現実世界での実体験が結びつくと、こどもはいっそうワクワクし、「知ること」に喜びや楽しさを感じ世界が豊かに広がっていきます。
バーチャルとリアルを結ぶことで、子供の好奇心を刺激できれば、子供は自ら学びを深めていきます。本人たちも、「自分が努力して勉強している」という意識は持たないものです。
伸びる子の親というのは、バーチャルとリアルを結びつけ、子供の好奇心を強くする取り組みを「意識的に」行っているのだと思います。
(引用元:瀧靖之(2016) ,『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ』,文響社.)
・図鑑で動物に興味を持ったら、実物を見に動物園へ行く。
・散歩中に花を見つけたら、図鑑でその花を探してみる。
・プラネタリウムで出てきた星の名前を、宇宙の図鑑で探してみる。
というように、レジャーや遊びに、学びを結びつけることを意識的に心がけると、図鑑の効果を最大限に得ることができそうです。
ただし、家の外の体験で見つけたものを、家に戻って図鑑で調べるとなると、対象物を覚えておくことが必要になります。そのタイムラグを逆に利用して、「よ〜くみて覚えておいて!」と声をかけてみましょう。すると、子どもは俄然やる気を出して、近づいてじっくりと色や形や動きなどを観察するはずです。可能であればスケッチブックとえんぴつを持ち歩き、観察の際にわたしてあげるのもいいですね。
図鑑の出番を増やすには
いろいろ考えて図鑑を買ったというのに、ちっとも開こうとしない……。そんな場合も、子どもに無理やり押しつけるのはもってのほか。
もともと興味がある分野だったのに、「読まないともったいないじゃない」「たまには見てみたら」などと言って押しつけてしまうと、図鑑そのものだけでなく、せっかく興味を持っていた分野さえも敬遠するようになってしまいかねません。
では、子どもが自然と図鑑に触れるようになるには、親はどのようなアプローチができるのでしょうか。キーワードは「親も一緒に」。少しの歩み寄りで、子どもにも変化が生まれるはずです。