ものづくりのプロセスからキャリア教育まで!「工場見学」が自由研究に最適なワケ
例えば、鉄道の沿線でよく見かける巨大な群をなす製鉄工場や化学工場の内部は、工場見学の機会がなければ滅多に入ることはできませんし、初めて見る仕事も多いでしょう。神戸国際大学経済学部教授の中村智彦氏は、子どもにとって工場見学はキャリア教育の一環になると述べています。工場見学を通して、人が働く様子を間近で見学し、さまざまな職業の存在を知り、理解を深めることができるのです。
加えて、事前学習から当日の見学、そしてまとめまでのプロセスが自由研究として扱いやすいという点も、工場見学が注目されている理由のひとつではないでしょうか。コツコツ観察を続ける必要もありませんし、家族で出かけて楽しみながら夏休みの宿題も一緒に済ませてしまうことのできる工場見学は、研究テーマとしてお得ですよね。
自由研究で工場見学へ行くための準備
工場見学に行くときは、どれだけ事前準備できるかが大きなポイントです。最終的な満足度を大きく左右する、事前準備に必要なことをまとめます。
●目的を決める
まず、目的を決めます。
例えば、
- 身の回りにあるものが、どのように作られているか
- 乗り物は、どんな技術を使って作られているか
- 地域の特産品は、いつからどのように作られ続けているか
など、日常生活において身近なものや、お子さんが好きなもの、地域の特色と関連づけられるものをテーマに選んであげると、レポートのまとめ作業までお子さんのやる気をキープしやすくなります。どんな工場へ、何のために行くか、親子で話し合って決めましょう。
●見学する工場を決める
目的にあった工場を探します。会社のホームページを見て、工場見学の開催日や所要時間、人数、年齢制限、場所などを確認して、条件に合うものを選んで予約をしましょう。「工場見学夏休み親子」とキーワード検索をして探してもいいですし、次のようなサイトでは、地域別や業態別で工場見学を探すこともできます。
学研キッズネット|工場見学ナビ
いこーよ|親子におすすめ!工場見学特集2019
●工場の下調べをする
教育評論家の親野智可等氏は、工場見学に行く前に会社のホームぺージを見て、見学する工場の名前、作っているもの、場所、働いている人の数、ものづくりの流れ、どんな技術を使っているかなどを事前に下調べしておくことを推奨しています。大まかに把握しておくと、見学するときに理解がスムーズです。調べていくうちに、分からないことやもっと知りたいことが出てきたら、見学時に質問できるようにリストにまとめておくと良いでしょう。