集中力がない、聞き分けがない、内気。子どもの性格の「困った」はどうする?
そんな子どもは、幼少期のときには口数も少なくてひとりで遊ぶようなことが多いという傾向があります。
そして、そのなかで高い創造力を身につけ、将来はクリエイティブな仕事で力を発揮するということもある。あるいは、自分の心を深く掘り下げられると同時に他人の気持ちもわかるので、カウンセラーなどの仕事に向いているということもあります。
また、内気な子どもほど内的なエネルギーが強いという研究もあります。ひとりで遊んでも十分に楽しめるというのは、エネルギーに満ちていると見ることもできます。一方、明るく外交的な人はどうかというと、他人と会って他人からエネルギーをもらってはじめて楽しいと思える。自分自身で楽しみを生み出すような強いエネルギーを持っていないのです。
たとえ内気であっても、そんなエネルギーに満ちた子どもなら、内面的才能によって自分の心を掘り下げ、「これだ!」と思う目標を見つけたときには、それに向かって力強く進んでいけるでしょう。
いずれにせよ、「内気なことは良くないこと」という先入観を親はいますぐに捨てるべきです。内気な子どもには内気な子どもだからこそ持つ力があるのです。
『脳科学的に正しい 一流の子育てQ&A』
西剛志 著/ダイヤモンド社(2019)
■ 脳科学者・西剛志先生インタビュー一覧
第1回:家のなかに生活感を!子どもの「創造力」を伸ばすために親ができること
第2回:お手伝いで子どもの「自制心」が育つ“脳科学的メカニズム”
第3回:集中力がない、聞き分けがない、内気。子どもの性格の「困った」はどうする?
第4回:子どもを自立できる人間に育てる――脳科学者が考える「理想の子育て」
【プロフィール】
西剛志(にし・たけゆき)
1975年4月8日、鹿児島県出身。脳科学者(工学博士)、分子生物学者。T&Rセルフイメージデザイン代表。LCA教育研究所顧問。東京工業大学大学院生命情報専攻修了。2002年に博士号を取得後、(一財)知的財産研究所に入所。2003年に特許庁入庁。
大学非常勤講師を兼任しながら、書籍出版、雑誌掲載、ノーベル賞受賞者との対談、世界旅行、結婚、当時日本に1100人しかいない難病の克服など、多くの夢を実現。その自身の夢をかなえてきたプロセスが心理学と脳科学の原理に基づくことに気づき、いい人生を歩むための脳科学的ノウハウを企業や個人向けに提供するT&Rセルフイメージデザインを2008年に設立。