「早くしなさい!」は誰のため? 自己肯定感が高い子どもの親の習慣
子どもを待つと言っても、そんなに長い時間はかかりません。たとえば靴を履くときは、2歳の子どもでも10秒もあれば片足が履けます。でもその10秒を待つことができず、5秒ほどで「早く」と言ってしまってはいないか、考えてみてください。(中略)日常の中であと10秒待ってみる習慣をつけるだけで、「ひとりでできた」という達成感を味わえるものがずいぶんと増え、子どもにとっては自分自身への自信にもつながっていきますよ。
(引用元:ベネッセ教育情報サイト|スーパー保育士が伝授!「待つ」ことで育つ子どもの思考力)
親がほんの少し時間や気持ちに余裕を持つことで、子どもの自主性や自己肯定感を高めることにつながるのです。
優しい子・賢い子の親は「待つこと」ができる
では実際に、親が「待つ」ことで子どもはどのように変化していくのでしょうか。原坂先生は、「親に待ってもらった子は、やがて自分が『待てる子』になる」と言います。自分を待ってくれた相手に対して優しさを感じ、自分自身も他者に対して待つことができるようになるのです。
わが子が優しい人間に育ってほしいと願うなら、まずは親自身が待ってあげることから始めてみるといいかもしれませんね。
ほかにも、親が「待つ」ことで子どもはさまざまな能力を伸ばしていきます。中学受験のプロである小川大介先生が、5,000組を超える親子と接して気づいたのは、「親に見守られて、好きなことにとことん熱中した経験のある子どもは、最後の最後で踏ん張り、自らの力でぐんぐん力を伸ばしていく」ということ。
小川先生によると、親が子どもを「待つ」ことで、子どもが「自分でやりきった」という達成感を得られるそう。さらにその達成感によって自信が育まれ、ほかの課題に対する「やってみよう」という意欲にもつながっていくと言います。
「早くしなさい!」は「脳を使うな」という指示!?
発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家である加藤俊徳先生は、親から「早くしなさい!」「まだできないの?」といった言葉をかけられ続けることで、子どもの脳の成長の機会が奪われる危険性を指摘します。
加藤先生によると、「早くしなさい!」という指示は、脳科学的な解釈では「脳をたくさん使わず、ちょっとだけ使って、今やっていることをパパッと終わらせなさい」ということを意味するそう。“脳が動いている時間” を増やすほど脳の成長につながるので、「早く!」