国語辞典、30cm定規、鉛筆削り、九九の表……子どもの勉強道具はどこに置くのが正解か?
私たちは日頃からそのようなシーンを経験しているはずですし、言ってみれば当たり前のような話です。しかし、子どもの勉強道具について考えたとき、はたして皆さんは“置き場所”をきちんと意識できているでしょうか?
子どもの勉強の効率は、“物の位置”しだいで激変する
ある学校の先生が言っていました。「私は、カバンの中でも何をどこに入れておくか決めている。そうすると、使いたいものがすぐに手に取れる。あれっ、ノートはどこに入れてたかな!?などと探さなくてもいい。探さなくていいから、仕事もはかどるのだ」と。これは、物の位置と仕事の効率の関係ですが、“子どもの勉強道具の位置”と“勉強の効率”においても同じことが言えるでしょう。
たとえば、子どもがテレビを見ていて「○○ってどういう意味だろう?」と思ったときに、リビングのテーブルにいつも国語辞典があればすぐ調べられますよね。
ですが、子ども部屋の本棚にしまってあったら、わざわざそこまで取りに行かなくてはいけません。時間がかかりますし、何より面倒ですから、いつの間にか調べる意欲をなくしてしまう、といったことも起きないとは限らないでしょう。
国語辞典だけの話ではありません。テレビの教養番組やクイズ番組などで、よく日本や世界の地名、あるいは山や海、川の名前などが流れることがありますね。子どもに「それってどこにあるの?」とか「何県にあるのかな」などと聞かれたことはありませんか?そんなとき、テレビの近くやリビングの手の届きやすい位置に地図帳がおいてあれば、子どもと一緒にすぐ調べることができるでしょう。
もし地図帳がすぐ近くになかったら、「あとで調べよう」とか「あとで子ども部屋に取りに行こう」なんて思いながら、いつの間にか調べようとしたことさえ忘れ、結局調べないままになってしまうことは多いものです。実際、小学生時代の私がそうでしたから。
教育現場では“勉強道具の位置”が意外と意識されていない
勉強道具を置く場所はこれほどまでに大切でありながら、じつは日本の教育現場では、そのことがあまり意識されていないケースが見受けられます。
たとえばある塾では、2階の教室には黒板と机だけしかなく、辞書や参考書などは1階にまとめて置かれています。何かを調べたくなったとき、辞書類が2階の教室の後ろにでも置いてあれば、1階まで行くことなく、授業中でもすぐに調べることができるでしょう。