非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?
このように、人生のいろいろな面を左右するという点で、非認知能力の注目度が上がっているのです。
ものごとに対して最初の一歩を踏み出させる好奇心
非認知能力のなかでも、わたしはとくにこれからの時代には好奇心が重要だと考えています。というのも、学校や会社から決まったことを指示されて取り組んでいればよい時代から、自らが主体的に新たなことを見出して取り組み、創造していくことが求められる時代になってきているからです。
自制心ややり抜く力は、やるべきことが定まっていればその効力を発揮しますが、自ら主体的に学んだり、行動したり、創造したりすることを促す原動力は好奇心です。勉強やスポーツ、仕事でも、ものごとに対して興味関心を持って取り組む、最初の一歩を踏み出させる力が好奇心なのです。しかし、日本人の場合、その好奇心が低いという残念なデータがあります。
OECD(経済協力開発機構)が、15歳児を対象に定期的に行っている学習到達度調査「PISA」というものがあります。最近、その2018年調査で日本の生徒の読解力が8位(全70カ国・地域中)から15位(全79カ国・地域中)に低下したというニュースを見聞きした人も多いでしょう。
とはいっても、まだ日本の生徒の読解力は平均より上です。わたしが問題として考えているのは、知的好奇心の低さなのです。
その学習到達度調査では、数学や理科に対して興味があるかというアンケートも取っているのですが、日本の生徒の興味は非常に低く、OECD加盟国のなかでワーストに近かった。つまり、日本の子どもたちが持っている学力は、興味もないのに学校や塾で勉強をさせられた結果によるものと考えられます。でも、先にお伝えしたように、勉強に対する興味、つまり好奇心がなければ勉強に自ら積極的に取り組むこともないのですから、学校や塾でのやらされる勉強がなくなれば終わり。主体性や創造性が求められるようになると、日本人が成果を出せなくなってしまうことを危惧しています。
子どもに好奇心が育つかどうかは親のかかわり方次第
これらを前提とすると、やはり子どもの好奇心をしっかりと伸ばしてあげることが大切だと考えられます。そうするために、親はどうすべきなのでしょうか?それは、親自身もさまざまなものに好奇心を持つということに尽きます。
子どもと一緒に自然のなかに遊びに出かけたとします。本来、多くの子どもは強い好奇心を持っていて自然が大好きですから、山や公園を散歩していてドングリなどを見つけたら、大いに興味を持つはず。