「勉強しない子」が「勉強する子」に変わる、家庭での仕組みづくり
「なんでこんなことやらないといけないの?」と思っていることを実行するのは、かなりの苦痛をともなうはずです。それは子どもだって同じ。
一方で、「自分から勉強する子」は、勉強する意味を明確に理解しているケースが多いといいます。ベネッセによる2011年の調査の結果、「親と将来や進路について話をする」と答えた子どもは、比較的勉強時間が長いという傾向が見られたそうです。特に小学4年生以降になるとその差は歴然で、「親と将来や進路の話をすることがない」子に比べると、20分~30分もの差が生まれています。
■子どもに「勉強しなさい!」と言っている?
子どもが親に「勉強しなさい!」と言われるとつい反発したくなるのは、ある心理的な要因が考えられます。社会心理学を専門とする深田博己教授によると、「個人が特定の自由を侵害されたときに喚起される、自由回復を志向した動機的状態」、いわゆる「心理的リアクタンス」が機能しているとのこと。
人は、「〇〇しろ」「××するな」と言われると、「自由を侵害された」「行動を制限された」という気持ちになるため、つい反対の行動をとりたくなるのだそう。
パートナーから「早く△△しておいて!」などと言われて、「いま△△しようと思っていたのに急にやりたくなくなった」という経験はありませんか?同じように、「勉強しなさい!」という親の声かけは、逆に子どもから勉強への意欲を奪ってしまうのです。
また、ベネッセの調査では、「勉強しなさい」と声かけをしてもしなくても、実際の勉強時間の長さはほとんど変わらないという結果が出ています。さらに驚くべきことに、中学3年生にもなると、「勉強しなさい」と声かけされない子のほうが、約25分も長く勉強していることがわかっているのです。
いますぐ実践!勉強しない子が変わる仕組みづくり
最後に、お子さんが「勉強する子」へと変わるために親がサポートできることをいくつかご紹介します。
■机に向かっていればOKとする
○机に向かっていれば勉強していなくてもOK
小学校教諭、塾講師として長年教育現場に携わってきた須貝誠先生は、たった30分の家庭学習でさえ継続できない場合、「勉強でなくても、一定時間机で好きなことをさせておけばいい」と述べています。これで「机に向かう習慣」が身につくそうです。
○わが子のペースで少しずつ時間を伸ばす
机に向かうことに慣れ、しだいに数分からでも勉強するようになれば、今日は10分、明日は15分……と少しずつ時間を伸ばしていくといいでしょう。