コーディネーショントレーニングで運動神経がよくなる! 効果的な練習方法を紹介します
この神経系が発達を続けている幼児期・児童期に、さまざまな動きを経験すればするほど、神経系は刺激され、運動神経がよくなると言われています。
山梨大学教育学部長で身体教育学が専門の中村和彦教授も、著書『運動神経がよくなる「からだ遊び」―小学校入学までに差がつく!』のなかで、「日本のトップアスリートたちの約6割は、幼少期に毎日2時間以上遊んでいた」と話しています。現在のトップアスリートたちは、子どもの頃のさまざまな遊びを通して、自身の神経系を刺激していたのです。
12歳くらいまでのあいだにさまざまな動きを経験することが、コーディネーション能力向上のポイントなのですね。
コーディネーションの「7つの能力」
コーディネーション能力は、「定位能力」「反応能力」「連結能力」「識別(分化)能力」「リズム化能力」「バランス能力」「変換能力」という7つの能力に分けられます。この7つの能力は、それぞれが個別なものではありません。何かの動作や運動をするときは、7つのうちのいくつかの力がお互いに連動して、体を自分の思ったとおりに動かしているのです。
それぞれの能力をひとつずつ確認していきましょう。
◆定位能力
相手や味方、ボールなどと自分の位置関係や距離を感じる力、把握する能力
ボール投げであれば、相手が1メートル先にいるのと、5メートル先にいるのとでは、必要な力が変わってきますよね。その判断をする力が定位能力です。
(例)縄跳びで回る縄を跳び越す、人とぶつからずに走る
◆反応能力
合図にすばやく、正確に対応する能力
音や人の動きなどの情報をすばやく察知して、正しくスピーディーに動き出す力です。
(例)短距離走で合図と同時にスタートがきれる、速いボールに対して体が動く
◆連結能力
関節や筋肉の動きをつなげ、スムーズに動かす能力
いくつかの異なる動作をスムーズにつなげて、流れるような一連の動きにする力でもあります。
(例)移動して、ボールを取り、そして投げるまでの動作がスムーズにできる
◆識別(分化)能力
手や足、用具を意のままに操作する能力
力を入れる、すっと力を抜く、徐々に力を入れるなど、必要なときに必要なだけの力を出力する “器用さ” のことです。
(例)バットやラケットをコントロールする、ボールを速く投げたりゆっくり投げたりする
◆リズム化能力
タイミングを計ったり、動きをまねしたり、イメージを表現する能力
目で見た動きを、自分の体でできる力です。