10億件の学習データからわかったこと。「無学年制」という新しい学習のカタチとは?
それこそが、RISU Japanが描く「才能あふれる社会」です。
私は、子どもたちが自分自身の本来の才能に気づき、それを伸ばしていける教育についてずっと模索してきました。逆に言えば、私の目からは、いまの教育はそうした、子どもの未来にとって重要なことが置き去りになっているように見えるのです。
学ぶことの楽しさに気づき、自分自身の才能を伸ばしていける子どもを育てる教育はいま、どこにあるのか。この連載では、そうした問題意識をみなさんと共有していければいいと思っています。
「子どもの才能を伸ばす教育」を探しに行こう
「算数に特化した無学年制のタブレット教材」という、これまでになかったサービスを提供するなかで、蓄積したデータから、これからの「学び」にイノベーションを起こせるような学習法や教育法にあらためて気がつきました。
そして去年、それらのデータや学習法についてをまとめた書籍『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方(文響社)』を出版しました。人生で初めて執筆した本で、構想から出版に至るまで約2年……。
執筆が終わったときには「もう本は書かないぞ!」と強く思いました(笑)。
書籍では、RISUタブレットから得られた10億件を超えるデータや、海外の研究機関や文部科学省が出している統計をもとに、「算数や勉強について私たちが知らない残念な真実」などについて詳細に説明しています。たとえば、以下のような残念な真実です。
9割の子どもが間違える問題はたった「3つ」に分類できる算数でつまずく子どもが、必ずといっていいほど間違えてしまう問題があります。「位」「単位」「図形」です。これらの問題は、恐ろしいことに、ただ「この問題ができない」だけでなく、「その単元そのものを理解できない」につながってしまいます。今後の算数の理解度や成績をも左右する間違いは、早めにクリアしておきたいものです。
宿題をさせると、子どもの学力は下がる!?じつは、いくつかの統計によって「宿題をしても学力は上がらない」という結果が出ています。
それどころか、「宿題は学力にマイナスの影響を及ぼす」という衝撃のデータもあるのです。だから、「宿題やりなさーい!」と親が叫ぶ必要はありません。(※子どもが勉強嫌いにならない「宿題のやらせ方」も紹介していますのでご安心を)
本連載では、上記のような「RISU算数」