元開成中学校長が提案する、子どもの論理力を伸ばす “5W1H” の質問。ポイントは「2:1」
ビジネスシーンではよく耳にする「ロジカルシンキング」。いわゆる「論理的思考」のことですが、この力が必要とされるのは、なにも働く大人だけではありません。むしろ子どもたちこそ、早い段階で身につけることができれば、近い将来必ず役に立つはずです。
今回は、すぐに実践できる「論理力の鍛え方」について解説していきます。
これからの時代に必要不可欠な「論理力」
論理的思考力とは、簡単に言うと「筋道を立てて考えたり、説明したりできる力」です。会話をしていると、「話がまとまっていないから内容が理解できない」と感じたことや、逆に「難しい内容をわかりやすく説明してくれて助かった」などと感じた経験があるでしょう。このように、論理力は社会で求められる能力であり、身につけておくと人生において大きなメリットをもたらします。
特にこれからの時代は、いまよりもっと論理力を問われる機会が増えてきます。2020年度から大学入試センター試験が「大学入学共通テスト」に変わることで、詰め込んだ知識よりも思考力・判断力・表現力が評価されるようになります。
すでに新しい学習指導要領にも「主体的・対話的で深い学び」を重視することが明記され、授業では生徒たちが互いに課題を考えて発表し合ったり、活発な議論を交わしたりと、自分の考えを論理的に伝える必要性が増しているのです。また、受験や就職などの面接においても、自分の考えをよりわかりやすく論理立てて伝えることができれば武器になるでしょう。
論理的思考力が身についていると、ビジネス面でも大きな強みになります。どんな仕事でも求められるのは、「問題解決能力」と「コミュニケーション能力」ですが、まさにこれらは論理的思考力を土台とすることで向上していくのです。
問題解決能力を向上させるには、失敗の原因はなにか、現状改善のためにはどうすればいいか、などを論理的思考をもと追究する必要があります。また、一貫性のある論理的な主張ができれば、伝えたいことがより相手に伝わりやすくなり、説得力も高まるでしょう。
その結果、スムーズなコミュニケーションを促すことができるのです。
あとひとつ、今後社会人が絶対に身につけておかなければならないスキルとして「情報の取捨選択能力」があります。あらゆる情報があふれる現代社会では、根拠のない噂話やフェイクニュースに惑わされないためにも、物事の真偽を見抜く目を養わなければなりません。