「ごめんなさい」が言えない子ども。「ごめんなさい」を言わせようとする親。
そうすることによって、「よし、次は気をつけるぞ」と失敗を学びにつなげることができますよ。会話例3:「ジュースをこぼしたのは妹」子どもがウソをついた!
【NG】
親「なんでウソをつくの!?本当はあなたがこぼしたんでしょ!」
子「違うよ!妹がこぼしたの……ウソじゃないもん」
親「なぜあなたはいつもウソばかりつくの。もう知りません!」
【OK】
親「こぼしたのは妹なのね。だったら妹を注意しなきゃいけないわ」
子「……」
親「もしジュースをこぼしたのがあなたなら、正直に言ってほしいな。失敗したことは仕方ないよ。次から気をつければいいんだから。でも、ウソをつくのはよくないな。自分のせいにされた妹はどんな気持ちだと思う?」
子「イヤな気持ちだと思う……ごめんなさい……」
親「本当のことを言ってくれてありがとう。
じゃあ、妹に何て謝ろうか?」
白梅学園大学子ども学部教授の増田修治氏は、「子どものウソにわざと騙されてみて、そのあと、子どもが本当のことを言ったときにほめること」も有効だと言います。ウソは「自分を認めてほしい」気持ちの裏返し。ですから、肯定的な言葉が子どもの心に響くのです。「お母さん(お父さん)は、あなたのことを信じているよ。認めているよ」という対応で、子どもの素直な気持ちを育ててあげましょう。
教育評論家の親野智可等氏は、イソップ寓話の「北風と太陽」のような対応が効果的だと語っています。つまり、頭ごなしに謝らせようとするのではなく、まず共感を示し、子ども自ら心を開く環境をつくることが大事だということ。どんな場面に遭遇しても、子どもの気持ちに寄り添う心構えを、常にもっていたいものですね。
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子どもが素直に「ごめんなさい」を言えるようになるために重要なことはふたつ。「発達段階に合わせた対応」と「子どもの言い分を聞いて、一緒に責任について考えること」であることがわかりました。
大人でもうまく謝れないことはありますよね。まして、感情コントロールがまだうまくできない子どもにとって、なかなか素直になれないことはあるはずです。そんなときは、「ごめんなさい」と言わせることだけに執着せず、丁寧に子どもの気持ちを引き出してあげましょう。そしてときには親も一緒に謝るなどして、子どもが「謝ったらスッキリした!」という体験を重ねられるといいですね。
(参考)
武蔵浦和 メンタルクリニック|ライフサイクルについて
伸芽’sクラブ|子どもの発達段階と、年齢に応じた課題を理解しておこう
ベネッセ教育情報サイト|素直に謝らない子[教えて!親野先生]
AllAbout|謝り癖がある子供の心理「ごめんなさ」