“10歳までに” すべき4つのこと。なぜ「遊べていない人間」はダメなのか?
10歳までにしたほうがいい4つのこと
では具体的に、10歳までに何をしたらいいのでしょうか?ここでは押さえておきたい4項目をピックアップしました。
■10歳までに「生活習慣を整える」
12年間、5万人以上の「勉強ができる子」の学習パターンを調査してきた朝日大学マーケティング研究所所長の中畑千弘氏は、「勉強ができる、できない子の差は10歳までの生活習慣にある」と断言します。中畑氏によると、いわゆる「勉強ができる子」は、「10歳までに机に向かって5分でも10分でも何かをするという習慣」が身についていることが多いそう。
また、勉強に限らず、同じ時間に起きる、同じ時間に食事をとる、同じ時間に寝る、など規則正しい生活を送る習慣が身についているという点も重要です。文部科学省による「全国学力・学習状況調査」(平成28年)では、朝食を毎日食べている子どものほうが、学力調査の平均正答率や体力合計点が高い傾向にあるという結果が出ました。朝起きて食欲が出ないなら、具沢山のスープやフルーツなどを少量でも食べる習慣をつけましょう。
また、教育ジャーナリストの清水克彦氏は「正しい生活習慣に加えて、お手伝いや整理整頓の習慣も身につけるべき」と述べています。なぜなら、お手伝いや整理整頓が習慣づいている子どもほど、頭のなかの考えを整理しやすく、上手に感情のコントロールができたり、自分から率先して行動できたりと、学力では測れない能力が身につくからです。
10歳までによい習慣を身につけさせたいですね。
■10歳までに「考える経験をさせる」
「思春期になんらかの問題を起こすかどうかは10歳頃までの親子関係で決まる」と話すのは、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長の鍋田泰孝氏です。10歳までの学童期は、子どもが精神的に安定していてまだ頭が柔らかい時期。それゆえ外界から多くのことを取り込みやすく、「基本的な性格ができあがる時期」でもあるのです。
基本的な性格ができあがるというのは、対人関係のスキルや物事のとらえ方、主体性といった「基本的なライフスタイル」ができあがることでもあります。この時期に自分で考える経験をせず、すべて親に決めてもらっていたら、思春期にぶつかる壁を乗り越えるのは困難になるでしょう。わが子が心配なあまり、つい過干渉になってしまう人も多いかもしれませんが、その弊害についてはよく知られるところ。