【状況別】「早く!」の代わりに使いたい “魔法の言葉”
です。卓上のアナログ時計の横に「画用紙に描いた時計の絵」(模擬時計)を並べます。模擬時計には、食べ終わる時間・歯磨きをする時間・着替え終わる時間などを描き、「本物の時計と絵の時計が同じになるまでに食べ終わってね」と声かけをしましょう。時間が可視化されるので、子どもの行動をスムーズに促すことができますよ。
■「早く着替えて!」
「子どもは何をするにも大人の2〜3倍は時間がかかる」と言うのは、東京家政大学子ども学部教授の岩立京子氏。とはいえ、着替えくらいはテキパキしてほしいのに……と親はイライラしますよね。ですが、岩立氏によると、「のんびりした子の多くは、人の顔色を見たり人に左右されたりせずに、落ち着いてマイペースで行動できる」とのこと。まずは、「〇〇ちゃんはお着替えが丁寧にできるんだね」とよさを伝えたうえで、「今日はいつもよりちょっと早く着替えられたね」とほめてあげましょう。
目標に応じて行動の仕方を調整できるようになるそうですよ。
■「早く食べて!」
偏食だったり、そもそも食べることに興味がなかったりと、子どもが食事に集中しないのはよくあることだと、保育士で育児アドバイザーのてぃ先生は言います。そんなときは、てぃ先生が提案する “ちょっとした工夫” を試してみてください。たとえば、小さなメモ用紙にその日のメニューを書いて、「今日のご飯のチケットだよ。それを渡すとハンバーグが出てくるよ」とチケット制にしたり、おかずを小さく切り分けてお皿に並べ、「試食どうですか~?」とスーパーの試食ごっこをしたりと、遊びの要素を取り入れてみましょう。すると子どもはおもしろがって、パクパク食べてくれることもあるそうですよ!
■「早く選んで!」
お子さんに「好きなお菓子をひとつ買ってあげるから、自分で選んでね」と伝えたものの、たくさんのお菓子を前にしてなかなか決められない様子にイライラして、「もうこれでいいよね?」と勝手に選んでしまうことはありませんか?白梅学園大学子ども学部教授の増田修治氏は、子どもの頭が一番働いているのは “悩んで考えているとき” だとし、親は「子どもの考える時間」を保証する必要があると強調します。「自己選択して生きている」という実感をもつことができると、子どもの自己肯定感はぐんぐん育っていくそうですよ。■「早く宿題しなさい!」
親から「早く宿題しなさい!」という言葉が出る段階で、子どもはするべきことに気持ちが向いていません。