子育て情報『「怒りっぽい子」と「感情に左右されない子」の環境はこんなに違う。攻撃的な態度の原因は親?』

「怒りっぽい子」と「感情に左右されない子」の環境はこんなに違う。攻撃的な態度の原因は親?

次項では、子どもの「怒り」の原因について考えてみましょう。

怒りっぽい子ども1


子どもが怒りっぽくなる3つの原因

むやみに怒っているように見える子どもたち。しかし、子どもが怒りっぽくなってしまうのには、どうやら原因があるようです。当てはまるものがあるか、考えてみてくださいね。

怒りっぽくなる原因1:感情や意志を抑圧・否定された経験がある
家庭教育研究家の田宮由美氏は、「感情や意志を抑圧されてきた子どもはキレやすい」と話します。甘やかされた子どものほうが、わがままで我慢ができないイメージですよね。しかし実際は、我慢を強いられてきた子どものほうが、怒りっぽい傾向にあるのだそう。

また田宮氏は、乳幼児期に感情を否定された経験も「怒り」のもとになりうると言います。
たとえば、乳幼児期に子どもが泣いているのに、親が「うるさい!」などと拒否した場合、その子どもは「泣くと親に受け入れらない」「寂しくても笑顔でいなければ生きていけない」と真の感情を抑えるようになっていくのだそう。そして気に入らないことがあると激しく怒ったり、些細なことでも攻撃的な態度をとったりするように……。抑え込まれていた感情が、「怒り」というかたちで発散されてしまうのです。

怒りっぽくなる原因2:親が怒りっぽいから、子どもも怒りっぽくなる
アンガーマネジメントの専門家でもある本田恵子氏(早稲田大学教授)は、親が怒りっぽいと、子どもも怒りっぽくなってしまうと言います。たとえば、「親から怒鳴られている子どもは、人と接するときや人になにかをしてもらいたいときには怒鳴るようになる」といった具合に、子どもは無意識に親の行動をまねるのだそう。

本田氏によると、これには鏡の神経細胞と言われる「ミラーニューロン」が関係しているとのこと。ミラーニューロンは行動だけでなく感情も模倣するため、親が怒鳴っているのを見た子どもの脳は、子ども自身が怒鳴っているときと同じ活動をするのです。ですから、「子どもをキレやすい人間にしないためには、親は自分の行動を振り返って見直すしかない」と本田氏が言うように、親自身が言動に気をつけて生活することが大切なのです。
怒りっぽくなる原因3:環境の変化でストレスがたまっている
入園や入学、進級などの時期も、子どもが怒りっぽくなりやすいそうです。教育心理学者の遠藤利彦氏(東京大学大学院教授)は、環境の変化が子どもたちにストレスをもたらすと述べています。

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