「怒りっぽい子」と「感情に左右されない子」の環境はこんなに違う。攻撃的な態度の原因は親?
と言うのは、脳科学者の茂木健一郎氏。どうやら、「怒り」の制御には、脳の前頭前野の働きが大きく関わっているようです。前頭前野は、記憶や感情の制御など「高度な精神活動」をつかさどっているため、前頭前野を鍛えることで「怒り」などの感情コントロールをすることができるのだそう。
茂木氏は、さまざまな経験を積むことで、豊富なパターン学習が脳に蓄積されると話します。たとえば、「〇〇な態度をとると、人は××という反応をして、自分の感情は△△になる」といった具合に、経験を前頭前野に学習させるわけです。茂木氏によると、実際の経験だけでなく、本や映画からの情報も効果ありだとしています。たくさんの経験を通して、「感情に左右されない脳」をつくっていきたいものですね。
親ができること3:アンガーマネジメントで「怒り」と上手に付き合えるように
自分自身の「怒り」をコントロールすることを目的とした「アンガーマネジメントトレーニング」で、子どもたちは「怒り」と上手に付き合えるようになると話すのは、前出の安藤氏です。
トレーニングといっても、小学校低学年頃までの子どもは言語能力が未発達なので、絵を描くなどの遊びを通じてアンガーマネージメントを行なうのがよいのだそう。たとえば、子どもに「怒っているときの顔」「自分が怒ったときの体」を描いてもらいます。目がつり上がる、頭を赤く塗る、手を青く塗るなど、子どもによってさまざまな表現になるでしょう。すると、子どもは「怒っているときに自分はこうなるのだな」と「怒り」を理解できるのだそう。
また安藤氏は、「自分の感情を知ることで、ほかの人の感情が読めるようになるのもアンガーマネジメントの効能」だと言います。「顔が真っ赤だから、〇〇君は怒っている」「△△をすると、〇〇君は怒る」など、相手の怒りが理解できるようになるため、人間関係も円滑になるとのことです。
親ができること4:子どもにとって十分な睡眠時間を確保する
小児科医の成田奈緒子氏(文教大学教授)は、「最近、小学4、5年生になって、たいした理由もないのに急にキレたり、イライラする子どもが増えている」と指摘します。その原因は、ずばり睡眠不足。
不規則な生活で自律神経が乱れ、イライラを引き起こすのだそう。成田氏は、規則正しい生活を送ることで自律神経が整うと話しています。
5歳頃の子どもなら11時間、小学生であれば10時間の睡眠を確保してあげましょう。