慎重すぎる子も、落ち着きのない子も大丈夫。子どもの個性の伸ばし方
周りの様子を伺ってから行動に移すので、なにをするにも時間がかかる。このような行動は、積極性に欠け、チャレンジ精神が乏しいと受け取られがちです。しかし、柴田氏は「慎重さが一生そのまま続くのは、あまりない」と指摘します。慎重すぎる子は、「中と外をよくわかっていて、外では力が入る」「警戒しながら、安心できる親の背中からいろんな子を観察している」のだそう。
つまり、場所や状況に応じて行動を変える賢さをもっているのです。親が「安心の基地」になることで、子どもは徐々に世界を広げていけます。無理に促すのではなく、子どもの挑戦を温かく受け止めてあげましょう。親の「背中を押さない努力」が大切だと柴田氏も話していますよ。
(カギカッコ内引用元:同上)
そもそも「慎重である」ことは決して悪いことではありません。ポジティブな面にも目を向けてみましょう。臨床心理士の吉田美智子氏は、慎重な子どもの長所について、「周りの様子をよく見ている」ため、「自分が直接体験しなくても、どう振舞うべきか学んで」いるし、「予測を立てることも上手」と評価しています。(カギカッコ内引用元:Domani|「積極的な子」or「消極的な子」我が子はどっち
︎専門家が語る子育てポイント)
周囲を気にして行動することは協調性に繋がりますし、よく考えて行動するならば、論理的思考力が高いのではないでしょうか。前出の川田氏は「いろいろな経験を積んで、個性が花開いていく」と述べています。成長していく子どもを見守っていきましょう。
落ち着きのない子どもは「発想力を広げている」
次に、「落ち着きのない子ども」の行動パターンを見ていきます。
- 同じ場所にじっと座っていられず、そわそわしてしまう。
- 動きがパワフルで、いつもせわしなく動き回っている。
- 遊びでも勉強でも、ひとつのことに集中できず気が散りやすい。
- 思ったこと、やりたいことを考えなしにすぐ言動に移してしまう。
- おしゃべりが止まらず、場面を問わずよく話す傾向がある。
小学館Hugkumが、0~12歳の子どもをもつ親を対象に行なった調査によると、上記のような子どもの「落ち着きのなさ」を感じた親は、なんと約8割にのぼりました。多くの親御さんが、なにかしらの場面で「うちの子は落ち着きがない」と思っているのです。
ですから、「子どもはそもそも落ち着きがないのだ」と考えてみませんか?
心理学者で東京学芸大学教育学部教授の松尾直博氏は、「発達的に見て、子どもはそもそも落ち着かないもの」