子育て情報『子どもの「居心地のいい場所」が成長を妨げる? コンフォートゾーンからの脱出法』

子どもの「居心地のいい場所」が成長を妨げる? コンフォートゾーンからの脱出法

目標実現のスペシャリストであるメンタルコーチの大平信孝氏は「不安はないが成長や進歩もないコンフォートゾーンに比べて、適度な不安状態であるラーニングゾーンは学びや成長が得やすい」と述べています。適度に不安を感じている状態は、心のどこかで「今のままではよくない」と思っている証拠。いい意味での緊張感とパニックには陥らない冷静さ、そして前向きな意識があるラーニングゾーンは、学びや成長を得やすい領域なのです。*2

ゾーン分けの図

(画像は編集部で作成:*2)

たとえば勉強面において、教育評論家の石田勝紀氏は、5段階評価の通知表が「オール3」などの平均レベルにいる子について、「居心地のよさから危機感がなく上昇志向も生まれにくい」と指摘しています。逆に、「オール4」や「オール5」のレベルにいる子は、「勉強して上のゾーンを目指す傾向がある」のだと言います。ラーニングゾーンにいる子は、やはり成長しようとする意欲が強い傾向があります。*3

スポーツでも同様に、「もうちょっと練習すればレギュラーになれそうだけど、いまのままでも楽しいし、激しい練習をして疲れるのも嫌だな……」と言い訳ばかりしていると、いつまでたっても技術やテクニックが上達することはないでしょう。成長には新しい挑戦が不可欠であり、コンフォートゾーンに留まり続けると、せっかくもっている潜在能力を十分に引き出せない可能性があるのです。


人間関係においても、コンフォートゾーンの居心地のよさに甘んじてしまうことで、新しい出会いから世界が広がるチャンスを逃してしまうことも。そのままの自分を受け入れてくれる仲間の存在は大切ですが、ときには違う価値観の友人と話して刺激を受けることも、成長する過程で必要です。

新しい経験や挑戦は、不安や恐れをともなうこともありますが、それを乗り越えることで子どもは大きく成長します。保護者の役割は、子どもが安全にコンフォートゾーンを出る機会を提供し、サポートすること。ただし、急激な変化は逆効果になる可能性があるため、段階的にアプローチしていきましょう。次項では、「勉強面」「スポーツ面」「人間関係」の3つのジャンル別に、コンフォートゾーンから抜け出す方法を解説していきます。

コンフォートゾーンから抜け出す02


コンフォートゾーンから抜け出す方法:勉強編

「いつも平均点くらいだし、いまのままでも問題ないんじゃない?」と、子どもだけでなく親も心のどこかで思っているのなら、コンフォートゾーンから抜け出すことは難しいでしょう。

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