子どもの「居心地のいい場所」が成長を妨げる? コンフォートゾーンからの脱出法
本当はもっと上を目指せるのに、現状に甘んじているなんてもったいないと思いませんか?ここでは、学習面におけるラーニングゾーンへ進むためにできることをご紹介します。
■通知表“オール4” や “オール5” の世界をイメージさせる!
前出の石田氏によると、レベルの違う世界を知ることで「子どもの行動は見違えるように変わることもある」のだそう。たとえば、「通知表がオール4のゾーンに入ったらどんな世界になると思う?今より少しは気分よくない?さらに言うと、点の取り方がわかってくるからオール3のゾーンよりも勉強が楽になっていくよ。成績が上がれば嬉しいし、学校生活も楽しくなるかもね」など、いまより上のレベルの世界を具体的にイメージさせるとよいでしょう。*3
■「ちょっと難しいけど達成可能」な目標を設定する
一般社団法人日本手帳マネージメント協会代表理事の高田晃氏は、コンフォートゾーンから出るために大事なのは、「ちょっと難しいかもしれないが、本気で挑戦すれば達成できるかもしれない、というレベルの目標」を設定することだと言います。たとえば、算数の問題集の少し先のページの問題を解いてみるなど、現在の学習レベルよりも少し難しい問題に挑戦させましょう。これにより、子どもは適度な刺激を受けながら、自信をつけていくことができます。*4
コンフォートゾーンから抜け出す方法:スポーツ編
スポーツの世界において、「楽しいから」「慣れているから」だけの理由で現状に満足していては成長はありません。
自分から上を目指して行動してもらうためには、親としてどのような後押しをすればいいのでしょうか。
■小さな成功体験を積み上げる
「スポーツひろば」代表の西薗一也氏は、足の速い子と遅い子を比べて、「成功体験の差がトレーニングの負荷の違いとなって、足の速さの差をさらに広げる」と指摘しています。つまり、「一番になって気持がよかった」という成功体験をまた味わいたいがために、全力で走るようになるのです。たしかに、成功体験がないと「自分なんてこんなものだろう」と力を抜くのは容易に想像できます。「昨日よりも速く走れたね」「前よりも高く飛べるようになったね」など、過去の本人と比較しながら成功体験を積み上げてあげましょう。きっとコンフォートゾーンを抜け出せるはずです。*5
■目標設定と自己評価をおこなう
国際コーチング連盟認定アソシエイトコーチである刈谷洋介氏は、「コンフォートゾーンを抜け出すのに重要なのは明確な目標設定」