配偶者控除の変更でママたちがお得になる働き方5パターン
妻が夫の扶養に入っていたものの働きに出ようとすると、税制や社会保険などの "壁"が存在するといわれている。2018年から配偶者控除が改正されることになったが、ママたちの働き方はどうなるのだろうか?
●配偶者控除はどうなる?
たとえば、配偶者のいる人は配偶者の給与収入が年収103万円以下であれば、収入にかかわらず、所得から38万円の控除が受けられた。ところが、2018年からは所得900万円を超える高所得者の場合は配偶者控除の減額や、ゼロになるなど、配偶者控除が縮小された(所得が900万円を超えない家庭の場合はこれまで通り)。
一方、「配偶者特別控除」(注1)が適応される配偶者の収入制限は201万円(所得123万円)まで拡大。税制上は妻の就業調整につながる壁はなくなった。
しかし、2016年の社会保険の加入要件改訂により、従業員501名以上の企業ではパートでも年収106万円以上は社会保険に入ることになる「106万円の壁」がある。
また、妻の収入が130万円を超えると、夫の社会保険の扶養から抜けなければいけない「130万円の壁」も存在する。
●夫の職業・収入別の働き方シミュレーション
夫の職業や収入によってそれぞれの壁の影響は異なるものの、妻はどういった働き方をすると、家庭にとって"お得"になるのだろうか。
ファイナンシャルプランナーの小谷晴美さんに、簡単なシミュレーションをしてもらった。
(1)妻がパート勤務。年収103万円の壁が残るケース
妻の年収が103万円を超えも世帯の手取が減少に転じることはない。
しかし、一部企業では配偶者手当(家族手当等)の支給条件として、「配偶者の所得38万円以下(パート収入103万円以下)」としている場合がある。
「配偶者手当の金額が、月1万5000円とすれば年間18万円。103万円を超えた時点で年間約18万円もらえなくなるということに」
配偶者手当の支給条件は会社によって異なるので、各自、夫の勤務先の会社への確認が必要だ。
(2)妻がパート勤務。年収106万円で社会保険に加入する場合
配偶者特別控除の拡大により、単純に考えると、妻の年収が105万円超から201万円までは控除が受けられるので手取りが増えることになる。
しかし、従業員数501名以上の企業に勤務する場合、年収106万円になると社会保険料が発生するため、世帯手取りは減少に転じてしまう。