月の残業は平均5時間以内「髙島屋」がママ社員の両立支援を行うワケ
旅行などには使えませんが、育児や親の介護、自身の病気などに使うことができます」
他にも、育児向けの制度としては、スクールイベント休暇と呼ばれれるものもあるのだとか。
「スクールイベント休暇は、育児やお子さんに特化したもので、1日または半日を年に2日間取得することができます。適用範囲は、お子さんだけでなく、お孫さんにも適用できます。というのも、当社の正社員の平均年齢は45歳を超えており、お孫さんを持つ社員も多いためです」
「わが子の授業参観や孫の運動会に参加したい」と思う人は多い。そういった社員の気持ちを汲み取った制度が、スクールイベント休暇です。
日曜限定臨時保育を実施
「2017年11~12月に7日間、トライアルとして行った取り組みですが、横浜店で『日曜限定臨時保育』というものを行いました。日曜日は、保育施設が休みのところが多く、サービス業に対応していないのが現状です。夫婦ともにサービス業だと、どうしてもママが休みがち。
そこで、日曜日にママも働けるように、職場に子どもを預けられる環境を用意しました」
利用した社員からは、「何かあってもすぐに子どものいる場所に行ける」、「子どもに職場を見せることができた」などの声があり、とても好評だった様子。次年度以降も店舗や時期の拡大を目指しています。
このように、様々な制度が充実している高島屋では、女性社員の管理職の割合が約30%。育児勤務をしながら、部下を持ちマネジメント業務を行っている社員もいるそう。さらに、須江さんはこう続けます。
「より働きやすい環境を構築するために、人事部ではテレワークの導入を進めていたり、今後数年で増加するであろう介護離職に備えて、まずは社員の知識を蓄えていく必要があると考えています」
昔から、働くママの両立支援を行ってきた高島屋は、すでに充実した制度や知識があり、今後は介護との両立支援にもさらに力を入れていきたいとのこと。高島屋に限らず、どこの企業でも起こりうる「介護離職」。同社がどのような対策を打ち出すのか、今後も注目しましょう。
(文・奈古善晴/考務店)
(※)高島屋の「高」は、正しくは「はしごだか」です