買い取りはNG? 意外と知らない“有給休暇”の基礎知識
●有休の買い取りについて
原則としては、有休の買い取りは認められていません。古い話ではありますが、昭和48年の最高裁判決で、このようなことが言われています。
『有給休暇を「与える」とはいっても、その実際は、労働者自身が休暇をとること(すなわち、就労しないこと)によってはじめて、休暇の付与が実現されることになる』
仕事をするのではなく、休むことが目的として使われることが有給休暇の制度です。それを買い取ってしまうのは、筋からすれば外れていますよね。
ただ、有休の買い取りに関しては、法的な義務を会社が負うことはない ため、有休の買い取りに応じるかどうかは、社員と会社の判断となるようです。
私が以前に働いていた会社では、有休が取れなかった場合は買い取りを勧められました。仕事の状況などを考えますと、仕方がなかったと思っています。
●派遣社員は有休がない?
派遣社員の場合は、同じ職場に6か月いられるかどうかわからないという人もいるでしょう。
でも、派遣社員でも有休は取れます。
条件は、“入社後6か月以上勤務していて、その間全労働日の8割以上勤務していること ”となります。
派遣会社経由で3か月の契約であったとしても、契約更新で引き続き雇用される場合がありますよね。その場合はもちろん該当になります。
また、1つの派遣元(派遣会社)に在籍して勤務している場合(派遣先が違っても)も該当になります。
●おわりに
大切なことは、入社前でも入社した後でも“有給休暇に関すること”を聞いておくことです。
会社には、就業規則を準備しておくことが義務づけられています。それを見てもいいですし、上司にあらかじめ聞くことも大切です。
労働者としての当然の権利なのですから、臆せずに聞きましょう。働くママにとって有休は絶対に必要なものです。休みを確保できるかどうかはぜひ知っておくべきではないでしょうか。
【参考文献】
・『「困った!」時に助けてくれる 社会保障一覧表』小泉正典・監修
【参考リンク】
・有給休暇ハンドブック | 厚生労働省(PDF)(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/040324-17a.pdf)
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
●モデル/福永桃子